兵庫縦断トレール開発   (追加山行含む)


  (注)日本海側から瀬戸内海までを9区にわけ、出発は第1区からですが、その次からはランダムに歩きます。
  当ページでは第1区から歩いた順番に記載しています。回を追うごとにスクロールしてご覧ください。

     


    山行計画書と山行報告書
 (いずれも抜粋または一部略
        

     第1区山行計画                
               兵庫縦断第1区間詳細計画(抜粋)

1.集合時間及びアクセス
 集合場所JR三ノ宮駅4番線(大阪から乗る人、以降から乗る人は事前にご連絡ください)。
 集合時間1121日(土)7時40分(7:57発スーパーはくと倉吉行きに乗車)
 天候と中止の有無:宿にカニ鍋を予約してあるので、台風のようなよほどの悪天候以外は実施します。
      第一日目は一番高い千々見山でも263mなので雨でも登れると思います。
      第二日目も蒲生峠までは林道ですので雨でも問題なく歩けると思います。それ以降も越坂、内山経由で下山することは可能です。つまり雨天実施ということです。 

2.コース及び地図
 
         計画図面①  計画図面②  計画図面③ 

 地形図:国土地理院2万5千分の一地形図 「浜坂」、「湯」の二枚。事前に磁北線を入れておくこと。

 ルート図:平成2731日発行「浜坂」、平成18111日発行「湯」には次の区間の道が入っていません。
 A.諸寄から千々見山(この名前もない)を経て林道「池ノ尾線」まで。

 B.林道「池ノ尾線」の三成山分岐から先から蒲生トンネル手前まで。

 C.旧道蒲生峠手前から牛ヶ峰山を経て鳥越~海上までの道との合流点まで
 このうちABは一部を除き立派な登山道や林道がありますが、Cは全くの藪漕ぎです。

 鳥越~海上までの道も廃道になっているようです。

 A,Bについてはインターネットの国土地理院の地図では検索できますが、念のためにルート図として参加者に配布します。地形図と合わせて事前に検討してください。
なおCの取り付きですが、越坂への登山道を少し進んでから取り付くのが効率的に見えますが、山側が壁になっているようなので(地形図では)、少し蒲生峠のほうに行ってからの方が良いかもしれません。これは現地で判断します。
 エスケープルート:ルート図に幾つかかいて有りますが車道以外は現地で見てみないと判りません。

 ルート詳細                                                            
 1121日(土)
 浜坂駅11:10==タクシー==浜坂漁港先端11:30――矢城ケ鼻灯台(縦断出発記念写真)
 11:50~12:15――城山13:00~10――諸寄駅13:50――千々見山14:50~15:00――諸寄・浜坂の林道15:20――藪漕ぎ――池ノ尾林道16:00――諸寄の宿17:00

       1122日(日)
 起床5:45~朝食6:30~出発7:10==タクシー=前日の下山開始点7:30――(15~20Km)――旧道蒲生峠12:00~12:20――(標高差400m)――牛ヶ峰山14:00~14:10――(下降の標高差150m)――登山道交差点15:00――(標高差200m)――海上15:40~50==タクシー==浜坂16:30~17:21(乗車)

時間があれば前日の宿で風呂(温泉ではない)に入れてもらって、諸寄から山陰線に乗る手もあります。藪漕ぎで汚れている可能性も高いので、できれば一風呂浴びたいところです。
注:21日のみの人はゆっくり朝食を食べて帰っていただいて結構ですが、申込時にCLに連絡してください。

.宿泊
 場所:山陰線 諸寄駅近く  YH諸寄荘・民宿なかいえ 

4.装備・食糧  (1)装備

  山行計画書とおりだが注釈は以下のとおり。
   ・藪こぎを考えて汚れたり、多少破れたりしても惜しくない、上等でない衣類が望ましい。
   ・タオルを首の周りに巻くと、藪の時に葉っぱが衿から入りにくい。
   ・靴は第一日目、第二日目の蒲生峠まではローカットの靴でも行けるが、牛ヶ峰山の藪こぎでは足首を怪我する恐れがあるので、
   必ず足首ま   で隠れるハイカットの登山靴であること。

   ・軍手は結構寒いので濡れても比較的強いゴム引きの作業用手袋(大工道具などを売っていると
ころにある数百円のもの)が
    濡れても寒さにも強くてよいと思う。これと別に寒さ用の手袋が
あったほうが良い。
   ・帰りに汚れた衣装を着替えられる、衣類一式があるほうが快適だと思います。

   ・22日は水は全く得られないので1.5Lは各自用意してください。(行動用1L、非常用0.5Lできればテルモスがあったほうが良い。
(2)食糧
   21日の昼食、22日の行動食を用意のこと。非常食は1食分用意してください。
(3)共同装備
   23人用テント型2張、コンロ+湯沸し2式用意します。怪我人が出た場合の対策です。


第1回目 山行報告 第1区  新温泉町浜坂(はまさか)~海上(うみがみ)


   兵庫縦断第1区間山行記録(一部略) 

兵庫縦断トレールの最初の一歩が始まりました!!

実施日:2015年11月21日~22日

参加者:アルペン芦山会員16名(内4名は21日のみ)

<コースタイム>

11月21日(土) 曇一時晴れ

浜坂12:04~05――矢城ヶ鼻灯台12:55~13:10――城山山頂14:00~09――千々見山山頂15:35~43――池ノ尾林道190m地点16:58~17:08――民宿なかいえ18:08

11月22日(日) 曇一時晴れ

民宿なかいえ7:05==タクシー==前日終了点7:15~20――三成山分岐410m8:14――林道開通碑8:40~45--鐘尾への林道分岐415m(8.2Kmポスト)9:35~40――千谷への林道分岐485m10:51――国道9号線蒲生トンネル換気口355m11:23――旧道蒲生峠への道路合流点315m11:32~36――廃道の林道途中で昼食11:50~12:08――牛ヶ峰西北尾根590mピーク12:55~13:10――640mピーク13:22――牛ヶ峰山山頂712.8m13:45~14:00――鳥越峠570mから海上への廃道515m15:13――その後廃道となった道を歩き、5mほどの泥壁を沢に下るところでM田さんが負傷――海上の部落の畑に出たところ350m16:50――全員が降りて救急車を呼ぶ16:56――海上集落に救急車到着17:10~15==全員タクシーで浜坂へ==浜坂駅18:00~18:17==鳥取、上郡、姫路経由==三ノ宮23:36 

<記録>
11月21日(土)
 三ノ宮7:57発の列車であったが、事故で30分弱遅れたため、鳥取での乗り継ぎが巧く行かず、浜坂には11:04到着の予定が丁度1時間遅れの12:04となってしまった。浜坂の漁港ではこの日はカニ祭で観光バスが一杯停まっていたが、そちらには目もくれずに歩く。漁港の水際で日本海の海水をペットボトルに汲む。これは縦断が完成した時、最後の姫路の小赤壁の上から瀬戸内海に注ぎ込むためのセレモニー用である。
 漁港を後に整備された急坂を登ると矢城ヶ鼻灯台。ここの直下は断崖で落ち込んでおり、なかなか勇壮な光景。ここで用意した横断幕を拡げて全員で記念撮影。ここが縦断の出発点である。結構急な階段を登り、しばらく行くと加藤文太郎の記念碑があり、ここでもう一度記念写真。やがて道は大きく城山を巻いて裏側に出るが、この巻き始めのところに直登コースの看板がある。当然のように直登のルートに入る。標高差では僅かなはずが、これはなかなかの道で、ロープが張り巡らされており、下は良く滑る粘土質の土でロープや木の枝を掴んで登る。
 全員問題なく登り切る。すでに時間は14:00なので余りゆっくりせずに出発する。一度大きな道路に出て諸寄の駅に向う。無人の諸寄駅でトイレ休憩。ここで3名は直接今日の宿に向う。残り13名は千々見山に向う。ここも最初は急坂だが、やがて傾斜は落ちて30分強で頂上に着いた。ここから道は非常に良くなり、20分ほどで林道に出た。ここは登山口として整備されており、東屋やベンチがあり駐車もできる。この林道は諸寄と浜坂を結ぶ林道だが、諸寄側は通行止めになっていた。
 いよいよここから藪に入るのだが、丁度降りたところの対面のリッジ状のところに、境界杭があり、ここから取り付く。この尾根はいたるところに境界杭とピンクのテープがあり、踏跡もあって順調に進む。しばらく進むとこの尾根は延々と池ノ尾林道と平行して進むようになるので、どこかで池ノ尾林道に出なければならない。
 注意して行くと右手下に道路が見えたが、急な下りのために、もう少し進む。小さなピークの登りにかかるところで、これ以上は行きすぎと考えて右手に下る。K村さんが先に下り、林道の法面のコンクリート壁の間から道路に出ることができた。
 丁度17:00近くで暗くなりかけていたが、安全に道路に出ることができた。明日はここまでタクシーで来るので、その目印に赤のテープを垂らす。あとは林道をひたすら諸寄まで下るだけ。まもなく真っ暗になったが、1時間ほどで無事「民宿なかいえ」に到着。
 すぐお風呂に入り、19:00より大宴会。カニ鍋コースだが、お刺身ほかいろいろ料理があり、それになんと言ってもカニは美味で全員満足。ここのおばさんは「カニソムリエ」の資格があるそうだ。
 最後にお鍋の中にご飯を入れて雑炊で〆となる。午後9時に終了。明日の朝は6時すぎに朝食なので、会計は今日中に済ませておく。なお宿泊客は我々だけのようであった。
11月22日(日)
 5:30前に起床し、蒲団を畳み、着替えて出発準備をする。6時10分すぎから朝食。カニの足が入った美味しい味噌汁が出て、ご飯もお代わりをしてしまう。トイレなどを済ませて7時前には全員が宿の前に揃う。21日のみ同行した4名は山に行かずに帰るので見送ってくれる。
 全員でストレッチをしてすべて終わったところで予約してあったタクシーが2台やってきた。どうも2台しかなさそうで、宿のおばさんの軽自動車に3人、タクシーに5人と4人、計12名が乗る。おばさんの車を先頭に昨日のテープの位置まで行き、ここで全員が降りる。
 おばさんにお礼を行って予定より10分早く歩き出す。この池ノ尾林道は蒲生峠への旧道との分岐を起点として諸寄の大栃川にかかる橋の終点まで100mおきにポストがあり、全長で約18Km。
 今日の歩き出す地点は約2Kmなので、残りは16Kmとかなりの距離がある。道は舗装道路でゆるやかな登りだが、ゆっくり安定したスピードで歩く。そのうち道はほぼ平坦になり稜線のすぐ下を通るようになる。1時間弱で三成山への分岐。さらに進むと池ノ尾林道の開通記念碑がある。ちょうど2年前に開通したようで、舗装もしっかりしている。ただ猪が山を掘り返すのでそのたびに落石がおきて、道路には石が散乱しているところがある。ここまでも猪が斜面を駆け上っていくのが見えた。
 人数が多いので3班に分けたが、ここからは班ごとに適宜休憩をとりながら前進する。ほとんど水のみや写真を撮るくらいで、休まず歩き続ける。1時間ほどで鐘尾への林道の分岐、さらに1時間ほどで千谷への林道分岐。この林道は通行止めになっていた。そのうち大きな建物が現れたが、これは真下を通っている国道9号線の蒲生トンネルの換気設備。ここまでくれば旧道は目と鼻の距離で11:32に旧道へ出た。予定より10~20分ほど早い。どうしたわけか、この交差点の角に古いバスがあり、ここに人が住んでいる様子。夕方遅いと不気味だろう。
 さてこれから牛ヶ峰山へは道はないが、前日の議論から兵庫と鳥取の県境を忠実に行くのが県境杭などもあって判りやすいだろうという結論だったので旧道を蒲生峠に向かって5分ほど行く。やがて小さな切通しがあり、そこに兵庫/鳥取の県境の道路標識がある。丁度この切通しの数十m手前に左手(南側)にコンクリートでできた小さな林道があり、ここからこの林道に入る。この道は2万5千の地形図には載っているが、すでに廃道になっており、数mも行くと藪が被ってくる。ただ足許を見ると道の痕跡は明瞭で迷うことはない。すこし広い場所があったので、ここで始めての大休止。昼食を食べてこれからの登りに備える。
 20分弱で切り上げて更に林道跡を進むと林に囲まれた峠の広場に出る。ここからは藪ルートで県境は南東方向に牛ヶ峰山に向って登っている。ところどころ境界杭があり、テープもあってルートは判りやすい。藪もたいしたことはなく590mのピークに達する。ここから尾根は緩やかになる。藪のなかで急にガサゴソと音がして驚かされる。猪か熊かは判らないが、やや不気味。690mピークから一度下り、最後の登りにかかる。650mで尾根は東に向きを変え、ひと登りで頂上の原っぱに出た。笹原に覆われた平たい地形だが、小さな看板が木にかかっており、そのすぐそばに三角点があった。噂にたがわぬ、何も眺望が効かない山頂であるが、今回の第一区間の最高峰なのでやはり嬉しい。
 一休みしたあと、帰りを急ぐT本さんはここから下山する。越坂集落へは、整備された登山道があり標高差で300m程度。ここで別れる。あとから聞いた話では20分で越坂の集落に下りたとのことである。
 ここから鳥越峠へは全くの藪漕ぎルートで、県境であるにもかかわらず、いままであった県境の標識杭やテープが全くなくなってしまった。この山は東側が急斜面で切れており、逆に西側はゆるやかな広い地形なので、西側に踏み込むと位置が判らなくなる恐れがあり、極力東側の急斜面との境界を歩くことにして前進開始。
 しばらくは順調だったが、急に傾斜が急になりだした。注意して回りを見回すと木の間越しに西側に尾根が見える。どうも東に寄りすぎて東側の急斜面に派生して枝尾根に入ったようだ。幸い西側の尾根はすぐそばなので、横にトラバースして主尾根に戻った。650mあたりからは左右の谷が明瞭になり判りやすくなる。小さなコブをいくつか越したり、巻いたりして650mのピークに出る。ここから尾根は南西に向きを変える。600mあたりで鳥越峠への道はやや痩せているが、ゆるやかな尾根が南に向っており、この尾根に誘い込まれてしまった。途中で気がついたが、すでに標高は鳥越峠と同じくらいであり、そのまま真っ直ぐ下った。すぐに割合広い登山道にヒョッコとでることができた。
 鳥越峠から標高差50~60mほど下であり、この道は2万5千の地形図には登山道として記載されているが、事前の調査で廃道になっていることは判っていた。これから先は谷沿いの道で、廃道になっていても、水流沿いに下れば間違えることはないと、ホッとしたが綺麗な道はこのあたりだけで、あとはほとんど道の形をなしておらず、結局先頭を歩いていたK村さんは沢筋に降りた。5mほどの良く滑る粘土質の泥壁や蔦を掴んで一人ずつ降りて沢床に立った。
 ここで1名が落石が脚に当たって負傷するといったこともあったが会員同士で手際よく手当し、本人も自力歩行出来るので一同安心。
 帰りのタクシーは15:50に海上に呼んでいたが、その時刻は全く無理。携帯で連絡しようにも圏外で通話不能。巻き道で小さな尾根に上がってとき、携帯が鳴ってタクシー会社から電話。事情を話したが、あとどのくらいの時間で到着するか見通しは立たない旨を伝える。そのうち道は全くなくなり、ほとんど沢の中を下る。あと標高差で100mほどのところで、沢筋が厳しくなり、右岸の尾根に向って付いている薄い踏み跡を辿って尾根に出た。
 この尾根を下るのだが、すぐ下に畑が見えるところになって意外な急斜面。結局沢に近い辺りから無事畑の畦道に下りることができた。猪除けの電気柵の側を数十m行くとようやく農道に出た。もう午後5時近くであったが、暗くなる前に道に出ることができたのは幸いであった。
 大きな家の前で休憩してタクシーを待つ。やがてジャンボタクシー1台と普通のタクシー1台が到着。前後差はあったが全員鳥取駅で集合して「スーパーいなば」で帰宅した。
 2日間、ほとんど計画通り実行でき、万々歳となるはずであったが、最後の最後になって事故が起り、本当に残念であった。幸い大事に至らず、全員のチームワークで切り抜けることができた。改めて日ごろの訓練と、基本を忠実に守ることの大切さが身にしみた。今後続く、兵庫縦断の山行はこれを教訓により一層安全に注意したい。  (リーダーT田さん記 略) 

    ◆歩行ルート図と断面図はI居さん作成  

                                                            


     第2回目 山行報告   第7区    岡~夢前川東岸の連山~宮置
                                   
                                            計画コース図はこちら(PDFf版 O村さん作成)
                                             踏破軌跡図はこちら(PDFf版 O村さん作製)                                              
                                            参考図(PDF版 I居さん作製)
    兵庫縦断第7区間山行記録    

    実施日:2016年2月27日(土)曇一時晴れ
      参加者: アルペン芦山会員 CL O村、SL T本、 K田、F沢、T田  5名<コースタイム>
 <コース>
 姫路発7:40==神姫バス==岡村バス停8:17――中国自動車道夢前SIC入口広場105m 8:30~40――池の堤防120m8:50――
240mのコル9:10――お魚ピーク310m
9:35~40――P282m9:54――送電線鉄塔215m10:25~35――P293.9m11:00――坂地峠200m11:17~22――棚原山402.5m11:55~12:30――南条山439.8m13:45――城山349m14:40~50――
茶室跡325m15:00~
15――置塩城登山口45m15:38~55――宮置バス停16:09~24==姫路17:00頃 

 <記録>
 もともとは213日(土)の予定であったが、悪天候のために中止となり、27日の実施となった。参加者は13日の申込者と同じであった。
 後からわかったことだが、翌日の28日は姫路城マラソンであり。もし実施していたら、交通規制の影響を受けていたかもしれない。

 JRも遅れることなく姫路に到着し、バスも順調。30分強で岡に到着した。バス停から20mほど先で右手の小道に入りしばらく行くと夢前SICへの新道に合流。偵察時に車を止めた広場で用意をする。溜池の堤防を渡った所から山腹に取り付き、山仕事の人のかすかな踏み跡を拾って登ると240mのコルに出る。

 ここから左折してお魚ピークに向う。お魚ピークとは頂上の等高線の形が魚のようなので、我々が仮に付けた名前である。偵察時はこの頂上直下までで引き返した。
 ここから進路は鋭角に10mほど下り、そこからはほぼ南に下ると282mピークに達した。ここで尾根は南西方向に変わり、少し登ったところで送電線の鉄塔が良く見え、そこに向って進む。この鉄塔は良い目印だし、送電線の向きと地形図を合わせると完璧に方向が定まる。
 送電線の下は藪が切り開かれており、これに沿って東側の鉄塔まで進み、そこから90度右折して主稜線に戻った。
 ここからはひたすら高いほうへ進むと、293.9mのピーク。ここまでは踏み跡もテープなどの人工物も殆んどなく、地図とコンパスだけが頼りだが、全員で検討をしながら完璧なルートファインディングで到着できた。
 このピークからは赤布などが出て来て、さらに、前回坂地峠から偵察した時に付けた赤テープが現れて、問題なく坂地峠に到着した。
 CLが予定していた計画時の到着時刻とほぼ同じで、順調な進行速度である。インターネットで調べると、これまでの前半の記録は殆んどなく、一番苦戦を予想していたので先ずはヤレヤレである。

 坂地峠から棚原山へは登山標識があり、道は良くはないが一応は登山道であり順調に進み、昼前に棚原山に到着した。ここは小広い草原で香寺町からの道の切り開きがあり、時々登山者もあるようだ。

 日向ボッコをしながらゆっくりと昼食。30分以上も休んでしまった。
 ここからの道は結構赤布などの標識があり、苦労することもなく北条山430mまで来た。目前には南条山が見えており、少し下って小さなコルからひと登りのはずなのだが、どうしたことか赤布は東側に向って続いている。
 東側には顕著な尾根があり、これを下ると谷山の集落にでてしまう。そこで強引に南に向って下りだしたが、途中からこのまま行くと西側の谷に向いそうなことがわかった。そこで左手(東側)に方向を変えると細い沢というか窪みの先に尾根が見えた。その尾根に出てみると、これが本来の尾根で、我々は1本西側の枝尾根を下っていたことになる。
 帰宅後尾村さんのGPSのデーターを見ると西の方に向う小さな尾根を降りていた。いずれにしても、戻った本来の尾根と思われる尾根を下ると赤布が現れだした。どうも赤布は一度東側に下りて、大きく巻いているようだ。

 ようやく南条山とのコルに出ると、ここに「南条山切り掘り」と書かれた真新しいプラスチックのボードがあり、ここがかつての南条山城跡の一部であることが判った。
 ここから急な坂を木の根を掴んで登るとヒョッコリと平らな広場に出た。ここが南条山の城跡であり、真新しいプラスチックの板に説明があった。

 ここから置塩城跡の方に向うか、南への尾根筋を忠実に辿って暮坂峠に出るかだが、この区間は地味な藪山ばかりなので、多少文化的な香りをつけようということで置塩城跡に向うことにした。
 置塩城は戦国大名として名高い赤松氏の居城である。この広場から平坦な道を数分で南条山の頂上に達した。問題はここから置塩城跡のある城山への道だが、これが判りにくい。というのは南条山から西に延びる顕著な尾根の途中から南西に延びる枝尾根の先に城山があり、その分岐点が極めてわかりにくい。どうしたことかここにも余り赤布がない。
 南側には檜の植林があり、その境をたどれば良さそうで、所々境界杭もあるが、頂上から比較的早く境界杭が南西方向に下りだした。地形図を見ると、もう少し尾根を下ってから南西に下りるほうが良さそうで、更に進んだが、南西方向に尾根が見当たらず、適当なところから城山を目がけて下ったが、これも間違ったようで、結局城山とのコルを目がけて最後は藪をこいで到着。やはり先ほどの境界杭のところから降りたほうが良かったようだ。
 コルからはひたすら急な斜面を登ると城山の頂上直下に到着。左手を回り込んで数m登ると、広い平地の頂上に出た。ここが置塩城の本丸跡である。
 草は綺麗に刈り取られ、眺めは抜群で立派な説明板があり、今回は霞んでいて見えなかったが、天気が良ければ姫路の海も見えるようだ。
 先ほどの南条山といい、幾つかの出城があったようで、ここが赤松氏の一大要塞であったことが良く判る。
 道はここからは良く整備されており、通常の観光も兼ねた登山道であり、至る所に、昔の館の跡がある。茶室があったというところで大休止。その後結構急な坂道を標高差で300m近く下って、登山口に出た。側の駐車場のトイレに行ったりして再度大休止。

 この前の道路は翌日の姫路城マラソンのコースになるらしく、駐車場にはテントが張られて、準備が進んでいた。あとは車が良く通る道路を歩いてバス停に向った。バスを待つ間に少しパラっと来たが、すぐバスが来たので濡れずにすんだ。 

<反省・総括>

(1)城山までは道のないルートであるが、下草がほとんどないので、藪漕ぎはほとんどなく、冬枯れの林を歩くという感じであった。ただ当然、登山道ではないから、斜面は直登しかなく、それなりに疲れる。

(2)ルート判断は前半のほうが難しいと考えていたが、これは地形が素直で、案外簡単に通過できた。
 北条山から城山まではインターネットで見ると結構人が通っているような印象であったが、ルートを見つけることが難しく、赤布なども肝心のところについていない。

(3)こうした山はただ仲間についていくだけでは面白みが半減する。自分で地図を読む楽しみを味わいたい。できればメンバーが全員順番に先頭になって地図を読む訓練にはなかなか適した場所である。

(4)いずれにしてもこの第7区間がルート判断が一番不明な所であったが、無事終了することができた。(T田さん記)

    
                                                                   (図はI居さん作製)

                                                           全体計画に戻る     第1区HPに戻る     第7区HPに戻る


    

     第3回目 山行報告  兵庫縦断トレール第6区間(その1)(小畑トンネルから雪彦山) 
          

日時:2016年4月9日

メンバー:CL I居  SLT田   会員6名、計8名   

天気:晴れ一時曇り

<コースタイム>

姫路駅発7:40==神姫バス==前之庄8:30~8:50==タクシー==小畑トンネル西側370m9:10~25――第一横断の山道交点375m10:01――P428の手前10:10――菅生川の道305m 10:23――道を上流に進み引き返し325m10:35――第二横断の山道への入口10:46――第二横断の山道370m 11:10~17――450m11:27――500m11:35――P5381     11:50――600m(昼食)12:05~30――P655.5(三角点)12:39――770m13:14~17――800m13:32~40――馬立頭(ウリュウド)866.5m(三角点)13:56~14:05――P80814:25――登山道との合流点(鹿ヶ壷への分岐)840m14:50~15:10――空身で雪彦山915.2m 15:21~25――合流点15:35~40――大天井岳835m16:02~10――登山口280m17:35~40==タクシー==姫路駅18:40ごろ 

<記録>

 まだ桜が散らずに残っている夢前川の道をバスは順調に走り、前之庄のバス停には予定通り着いたが、タクシーを予約していなかったことが判明し、至急電話して依頼。ジャンボタクシーが頼めて経済的になった。タクシーが来るまでの時間にストレッチをする。タクシーは順調に小畑トンネルの西側に到着。ここには小さな地蔵堂がある。ここで身支度を整えて記念写真を撮る。
 小畑トンネルの上のコルを目指して登ると、一面のミツマタの群生で非常に綺麗。実はここまでは初冬に下見に来て、ミツマタが群生しているのを見つけて、花を楽しみにしていたので、時期的に間に合ってよかった。
 ここからいよいよ急な登りにかかる。489.7mのピークを越して順調に第一の山道の交差点に達する。ここから428mのピークを目指して登るが、このピークの手前に山仕事の人がつけた巻き道がありこれに入ったため、北に向かうはずが南西の尾根に入ってしまった。すぐ下に人家があり、これが第二の山道にある人家と思い込んでしまったのが最大の間違い。これは菅生川沿いの道にある人家であった。 下に降りてみると立派な舗装道路。半信半疑で川沿いに上っていくと左手から比較的大きな沢が入りそのすぐ先でゲートがあって閉鎖されていた。この段階でどうやら間違って菅生川に出てしまったことに気付いた。地形図を検討すると、先ほどの左手から入っている沢の対岸に第二の山道があることになる。入口が判らないが廃屋の庭先を通って左手に行くと沢筋に道らしい痕跡を見つけることができた。これを辿って稜線の直下にある踏み跡を辿るとようやく第二の山道のコルに出ることができた。
 結局1時間弱ロスをしたことになる。ここからは出来るだけ忠実に尾根を辿ることにする。幸い殆んどが登り一方で下りがないので、それほど迷うことなく登ることができた。600mで大休止をして昼食。それからひと登りで655.5mの三角点に出た。このあたりはタムシバの白い花が群生していて中々素晴らしい眺め。因みにタムシバとコブシの違いはコブシには蕾の下に黄緑色の一枚葉があることらしい。
 さらに登ると866.5mの馬立頭(ウリュウド)に到着。ここは南西方面からの尾根とのジャンクションピークで、この南西からの尾根が行政境界であるため、ここからは境界標識が現れてルートは明瞭になる。 ここから少しずつ下って800mくらいまで下り、更に登り返すと一般登山道に出た、ここは鹿ヶ壷への道の分岐点で立派な道標が立っている。地形図ではこの分岐点はもう少し雪彦山の頂上に寄った場所で分岐していることになっているが、地形図が出来てから道が変わったのか非常に明瞭な分岐の標識である。なお鹿ヶ壷への道はここから谷に向って下っている。

 とにかくこれで第6区間(その1)は完成。第4・5区間は雪彦山を越えてこの前を通って下るので当初目的は達成。ここでしばらく休んで今後の方針を検討。
 当初計画はもと来た道を引き返すことであったが、すでに午後3時になっていて、大分日没時間は遅くなったと言っても、同じ道を下るのは時間的に無理があるので、雪彦山の一般道を下ることにした。
 折角ここまで来たので、荷物を置いて空身で雪彦山の頂上を往復することにした。空身になると楽なもので11分で頂上に着いた。写真をとって引き返し、携帯でタクシー会社に雪彦山登山口に迎えにきてもらうように変更を依頼した。

 一般の登山道であるが、岩場の多い山なので下りは時間をとり、1時間半ほどで降りられるかと思ったが、2時間弱かかった。疲れているし、岩場が多いので無理をせずに安全第一で下った。登山口に出たのは17:35でまだ明るかったが、全員無事に下山できて何よりであった。
 ジャンボタクシーで前之庄までは5000円ほどであったが、さらに8000円くらいで姫路まで行くとのことで、全員一致で姫路まで行ってもらうことにした。結局9000円プラスになったが、時間を考えると良かったと思う。
 なお途中で運転手に聞いた話では、菅生川沿いの部落も昔は夢前町で、菅生川沿いの民家の子供は毎日小畑トンネルのある峠を越えて山之内の下の小学校の分校に通っていたそうである。今はどうなっているのか聞かなかったが。なお夢前町は今では姫路市夢前町になっている。 

<道間違いによるロスタイムと反省>

 P428の手前で10:10、第二横断の山道11:10なので1時間。間違わずに進んでいれば10分以内なので、ロスタイムは50分程度。登りは小畑トンネルから一般道との合流点まで9:25→14:50なので5時間25分。ロスタイム無ければ4時間35分。従って下りは最小限3時間30分は見る必要がある。ロスタイム無ければ合流点着は14:00のはずなので、頂上には行かずに回れ右で、もと来た道を引き返すと小畑トンネルは17時30分で今回雪彦山登山口に降りた時刻と同じ。しかし何かミスがあると暗くなってしまうので、このコースの往復はかなり頑張らないと無理。なお、今回はCLSLの事前連絡が悪く、行きのタクシーを予約しておらず、20分ほどロスをした。これが無ければ、下山は17時ごろになるので可能かもしれない。要反省点。ただこうした藪ルートでは間違いは付き物なので、少人数で頑張るしかないだろう。一度、少人数でもう一度、下山路をトライしてみたい。テープをつけてきたので、今度はそれほど迷わずに行けるだろう。 

なお、帰宅後のO村さんの写真とGPSから間違いは428mのピークの手前で巻き道に入り、その先の尾根に引きずりこまれたためと判明。すぐ下に民家が見えて、それを第二の山道にある民家と思い込んだのが最大の間違い。コンパスで方向を確かめるべきであった。まだ登り出しでナメテいたことも反省材料である。

     

                                                                                          地図はI居さん作製          

<タクシー代金など交通費>

前之庄==小畑トンネル(ジャンボタクシー)  4,690円
雪彦山登山口==姫路駅(ジャンボタクシー) 14,050円
(前之庄までは約5000円なので前之庄から姫路は約9000円。)

 一人当たり(8人)2340円+行きのバス代750円=3090円。
 前之庄から姫路は8人乗りで1125円/人なので、375円高いが前之庄での待ち時間を考えると十分に元がとれる。因みにJR芦屋から姫路は1140X2=2280円なので、
通費総額は3090+2280=5370円。

 この道は第4区間の帰り、第6区間の行きに使うので今後の参考にしたい。人数が揃えば、姫路からジャンボタクシーが一番効率的だと思う。   以上   (T田さん記)                                             
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  第3回目補足  再度実施 山行報告 兵庫縦断第6区(その1) 逆コース



 兵庫縦断は基本的に北から南へと縦走することにしているが、第6区間(その1)は登山道は無く、しかも枝尾根が多くて迷いやすいので、唯一下りではなく北行きの登りにすることにし、時間があれば同じ道を下山することにしていた。ところが4月9日は雪彦山の頂上手前(南尾根分岐)で一般登山道に合流したのはすでに14:50になっており、往路を引き返すのは無理があり、一般登山道を雪彦山登山口に下山した。しかし、北から南へというコースが実現していないのは残念なので、有志4人で個人山行として実施した。 

日時:201654
天候:晴れ

メンバー: CL T本 SL T田  O村  O西 計会員4名 

コースタイム:姫路駅7:40==バス==前之庄==タクシー==雪彦山登山口280m8:50――展望岩460m9:15~20――出雲岩645m9:52――大天井岳815m10:25~30――前回の南尾根分岐825m10:55~11:15――馬立頭866.5m12:02~07――770mの尾根の分岐12:35~45――655.5m三角点13:05~08――600mの尾根の分岐13:15~19(この辺りから西斜面は大規模な伐採)――500m分岐13:40~14:00――第二のコル370m14:18~23――第二P428m14:37~15:05――第一のコル370m15:08――第一P三角点489.7m15:27~48――小畑トンネル西側の地蔵堂前370m16:03~16:10==タクシー==姫路

 雪彦山南尾根分岐発11:15で小畑トンネル着16:03なので所要時間は4時間48分である。第二Pでの現場検証に約30分、第一Pで大休止20分などがあり、大休憩の合計は50分。したがって所々で休憩しながら読図をしても、迷わずにいけば4時間ほどで下ることはできる。しかし前回4月9日の北行きコースでは南尾根分岐着14:50だったので、すぐに引き返しても19:00ごろになってしまう。19:00すぎまでは明るいとはいえ、なにかあれば暗くなるので、前回の判断は適切だったと思う。 

<記録>
5月4日、前夜の雨も上がり、良い天気の中、雪彦山登山口を出発。しばらく歩いていなかったせいか、フクラハギが辛い。それでも25分で展望台に到着。ここは雪彦山の岩壁の最高の展望台。あとはひたすら登って登山口から1時間35分で大天井岳に到着。前回は大人数(8人)だったので、鎖場で時間がかかり、下り1時間25分だったから、ほぼ同じ時間であった。
 
 登山口から雪彦山南尾根との分岐点までは30分。まだ昼には早いが、朝が早かったのでここで昼食。いよいよここからが今回のテーマ。馬立頭までは行政区域の標識杭があり、迷うことなく進めたが、結構上り下りがあり47分かかった。前回の逆方向の登りでも45分で同じ時間である。ここから90度東に尾根は折れて、行政杭もなくなる。所々に前回張った赤テープがあり。これを見つけるとホッとする。

 第二のコルは前回間違って菅生川から登り返したところである。ここから第二P428mは今回が初めてのところだが、比較的登りやすく、東面も西面も伐採が進んでおり、第二Pの上は大木の伐採跡であった。

 どうしてここで間違って菅生川に下りてしまったのかを時間をかけて検証。結局第一コルから登ってきて最後の標高差10mほどの直登を嫌って左手に巻き、その先の尾根を頂上から第二コルへの尾根と錯誤したことによる。どうしてその尾根を第二コルへの尾根と思ったかということだが、下に民家が見え、それを第二コル近くの民家と思い込んだことによる。北に向かうはずが西に進んでいてだれも気付かなかった。原因は偏に思い込みによるが、技術的にはこうした尾根では極力稜線を忠実に辿るべきだということだと思う。10mほど直登をしていれば、こうした間違いはさけられたはずである。

 第二Pから第一のコルへは数分で降りたが、ここから第一Pまでの標高差120mはかなりしんどい登り。ここで、タクシーに電話をして小畑トンネルまで迎えをお願いする。すっかりバテて大休憩。後は15分でトンネル前に出た。トンネル手前に綺麗な水が豊富に湧いており、ペットボトルにつめる。

 待つことなくタクシーが来て、姫路まで6000円くらいというので行ってもらう。実際は8000円を超えたが、タクシーの運転手が8000円でストップしてくれた。姫路おでんの店で一杯飲んで解散。家には19:00ごろ帰宅した。 

 前回から1ヶ月ほどたっているが、もう桜やミツマタの花は全くなくなっていた。藤の花が咲いているようなのだが、高い木立の上で、花を愛でることは出来なかった。

 いずれにしてもこれで正式コースとしてもデータが出揃った。

 

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    第4回目   山行報告     兵庫縦断トレール第4間・第5区間 (川上~峰山高原~雪彦山) 

   
 日時  平成28年4月23日~24日
    メンバー  CL  I居 他会員 5名 (内1名23日のみ) 
 コース 1日目
        駅播但線改札口8.30~寺前9:30(タクシー)~登山口出発10:30砥峰高原展望台11:4012:00(昼食)~峰山高原13:00 ~峰山高原ホテル(着)14:45地点16:00~峰山高原ホテル17:00
     2日目
         峰山高原ホテル6:00~中坪峠7:04~1002M7:50~坂の辻峠9:15~三辻山10:30~977M11:19~雪彦山分岐12:40~三角点雪彦山13:10~虹が滝14.30~登山口15:15 





 <報告>

 23日

 
寺前から乗ったタクシーが多分このあたりが砥峰高原へのハイキング道の起点だろうと、止まったので下車したものの、現在地が分かりにくい。T本さん、O村さんは地図をのぞきこむ。 地形図でこの沢付近だ、と見当を付けたが沢と道の間隔がやや違っていたため、念のため車道を少し先まで確認してタクシー下車地点に戻る。
 兵庫縦断トレール横断幕を出し、スタートの記念撮影後、舗装道を入った。地形図には実線があり、方角的にもこれであろうと思った。右脇には別の道の入口があり「通行禁止」の看板がある。50メートルほど行くと右手に水道施設の建物があり、その先200メートルほどで道はいきなり途絶えた。
 われらは水の豊富な沢沿いをたどる。踏み跡がはっきりしないので、迷っているとF沢さんが、どんどん登るのでつられてゆくと、径は沢を離れて上ってゆき、幅の広い山道に出た。どうやら「通行禁止」の道こそハイキング道であったらしい。一部に土砂が被さったり、路面が掘れたりはしているが問題なく歩ける。
 標高700メートルで急傾斜の道と分かれる。そのままハイキング道を行き、砥峰高原に出て兵庫縦断トレール横断幕を出して記念撮影後、大休止。
 大草原が広がり解放感の溢れているところだが、予想外に起伏がある。M邉さんは登りに大奮闘。峰山までは道標のあるハイキング道をたどった。下り道で広い防火帯がある。正面には峰山高原ホテル「リラクシア」が見える。下部の沢を越すのがやや心配だったが、かなりショートカットできるので防火帯を下る。防火帯は幅2,30メートルはあるくさ原で、気持ちのよい下りになる。下り切ったところの沢も飛び石伝いに難なく越え、ホテルへ。野生の鹿の群れが走って行くのが見える。ホテルはくさ原に石の置かれた広々した庭のある快適なリゾートホテルだ。
 ホテルに荷を置いて暁晴山に向かった。アンテナが林立し、展望のよい山だ。遠く大山が見えるときもあるという。
 帰りは翌日の入山地点を確認する。暁晴山の南NTTdocomoのアンテナまで車道が延びており、そのどこからか中坪峠に通じる作業道に下れるはずで、尾根状のところを強引に下ると目当ての作業道に出た。これで大丈夫。
 車道にもどり、さらに捜しながら行くと、ホテル側から最初にガードレールが現れるところに踏跡を発見、下には梯子の残骸があり、ここが本命、と決まる。ホテルに戻ったころから降雨。本当にラッキー。今日は曇り、雨の天気予報が晴れのちおそく雨に変わり、明日は曇りの予想が晴れ時々曇りに変わる。

 24日
 ホテル発。雨は上がり、空は明るい。M邉さんはホテルにとどまり、午後の送迎バスで寺前から帰る。
 昨日見つけておいたガードレール脇を下り、順調に中坪峠への作業道へ。やや荒れてはいるが広い道を中坪峠に着いた。
 その先、地形図では中坪峠から稜線上に破線が示され、途中で林道が右に分かれることになっている。幅広い道を行く。するとそのまま稜線を離れていくので、林道に入ったことが分かり、次のコルで稜線に上がる。この林道は地形図では山中で途切れて示されている。
 稜線上は鹿防護ネットがあり、カヤトで歩きにくい。踏跡はほとんど消えており、ネットの向こうにようやく1,002メートルの三角点を発見した。
 下りはいくらか踏跡もあり、坂の辻峠に向かって下る。大きな道を車が走っているのが見えるあたりで作業道に出くわす。車道に通じているようなので作業道を少し下り、踏み跡はなかったが、谷筋をショートカットして車道に出ると、林道峰山線の起点であった。
 地形図では下りも坂の辻峠まで破線が記入してあるが、ほぼなくなっているようである。

※※ここで不審なのは、峰山~雪彦山のハイキング道のうち峰山~坂の辻峠間が全くないということだ。林道峰山線は遙かに遠回りであり、行く人はいないだろう。われわれがたどった稜線にはほとんど踏跡さえない。考えられるのは、地形図で途中で行き止まりと示されている幅広い林道が、林道峰山線に通じているのではないかということである。グーグルマップを見ると峰山線起点近くにつながっているようにも見える。この点はいずれ確かめてみたい。

 坂の辻峠からは林道を通って行く。分岐点に「三辻山登山口」の矢印と、反対向きの「三辻山」という矢印看板があった。極めて分かりにくいが、「三辻山登山口」というのが固有名詞的に使われていると考えれば合点がいく。当然「三辻山」へ進み、看板のある登り口から山道へ。ここも地形図と違い、道は稜線伝いに山頂に続いている。三辻山で横断幕を出し記念撮影。姫路市最高峰を経て「阪水林道へ」の矢印のある真新しい作業道に下ると、沢に水がある。
 作業道は835メートルのコルで稜線と合するが、新しい作業道はその先も稜線上に付いている。この道はさらに続き、東側に下って行く。しばらく作業道を歩いて山道をさがすが、F沢さんが山に取り付いているのが見える。
 F沢さんのカンの良さに脱帽。われらは山道を歩いて、920メートルピークを越え、鉾立山への分岐点手前の見晴らしの良い鉄塔下で大休止。
 はるか遠くにアンテナが林立する暁晴山が見える。遠望の山から歩いてきたのだから、一日の行動量として十分と実感する。
 鉾立山を経て雪彦山へ。ニセ頂上が多く、アップダウンにくたびれる。山頂で兵庫縦断トレール横断幕を出して記念撮影。ここは49日の第6区間の小畑トンネル~三角点雪彦山登山で2週間前に到達し、小さな頂上広場で健闘を喜び合ったのだ。なんとか二つのトレールとつなぐことができた。

 下りはショートカットをしてナメ滝、虹ケ滝へ。澄み切った清流が爽やかだ。虹ケ滝付近の下りでT本さんは頭にケガをした女性の手当てをして大活躍。
 展望台で呼んだタクシーで登山口から前之庄まで。前之庄からバスで姫路駅へ。姫路駅で解散。

 今回も踏み跡を捜し藪こぎをしながら山道をたどるという兵庫県縦断トレールの趣旨にふさわしい山行であった。1日目の砥峰高原への道捜し、2日目の取付地点捜し、坂の辻峠の下山路捜しと、踏み跡が不明確になる度に、T本さん、O村さんが熱心に地図を見入って真剣に討議を重ねられた。お二人の姿に地図にたいする信頼と読図によって未知のルートを捜し、ルート捜しを通して山と大自然に向き合う魅力を感じさせられました。



 


     
  第5回目 山行報告  兵庫縦断トレール第3区間 (若杉峠~藤無山~冨土野トンネル~三郡山~笠杉トンネル)

   第一次 簡易な報告(平成28年5月17日 T本さんより)

 日時 平成28年5月14日~16日

 参加者:T田、I居、O村、T本 (会員4人)

 14日(土)はJRで八鹿へ。バスに乗り換え、終点の「奥若杉(おくわかす)」に13:45着。
 宿泊先の車で若杉峠まで送ってもらった。ここから最初の992mピークに登る。まず一山終えておくという算段だ。
 道はないが気持ちの良い稜線だった。コルまでスキー場からの作業道が延びており、宿の大屋スキー場「ロッジふじなし」に16時過ぎに下った。
 ロッジの夕食は屋外テラスでバーベキュー。豪快に炎を上げながら食事を楽しむうち、空は暗さを増し、星が瞬き始めた。

 15日(日)5時起床。前夜のうちにもらっていた朝食のおにぎりを食べ、前日のコルへ。藤無山への道標があり、山道もある。
 藤無山(1139m)は人気の山らしく、道はよく踏まれている。頂上に07:37。新緑のいい景色に誘われて下り道をつい間違え、引き返す。890mのコルに下り、銅山(953m)への縦走路に入ると、とたんに踏跡は怪しくなる。銅山も人気の山で、下りしな計4人とすれ違った。しかし林道駐車場から登る人が多く、藤無山から縦走する人は少なそうだ。
 ピークを次々にたどり、この日の下山地点冨土野(ふどの)トンネルの上に着いた。さてここから下の車道にどう降りるかが問題だ。鹿防護ネットが張り巡らされた周辺を捜し、下り口を見つけた。落ち葉の堆積に足を取られながらようやく車道(県道)に下り、明延の集落まで1時間15分、車道を歩く。
 最終のバスは16:56発だ。それまで往時は賑わったであろう街並みを散策した。大屋のペンション翡翠泊。

 16日(月)5時起床。天気予報は曇のち雨だが、既に雨模様である。おにぎりの朝食後、6時に宿の車で前日の冨土野トンネルまで送ってもらう。稜線付近はガスっている。
 「本当にここでいいんですか」と聞かれたのはもっともで、周りに登山道らしきものはない。見つけておいた斜面から強引に登り、作業道脇をさらに登る。かすかな踏跡。
 最初のピークから強風だ。三角点のある量見山(または明延山・786m)からの屈曲に気を使う。山頂だけでなく途中の小ピークからも尾根が出ている。間違えるとほかへ行ってしまう。特にこの日は曲がるコースが多かった。
 周辺地形で現在地を確かめ、尾根の方角を慎重に読まねばならない。先に目指す山稜が続いているか、尾根の広さや斜度は間違いないか。ぴったり合ったら喜びがこみ上げる。地図読みの醍醐味である。ただこの日は山行3日目で、疲れもたまってしんどかった。
 強風と雨も本降りになる中、明神(めいしん)山791m、三郡(さんぐん)山950m、黒原山977mを経て、895mピークからの下りでついに間違えた。南西に向いていたコースが南南東に向かう地点。下りに取った稜線は、しばらく先で急に下り、その上やや広く、地形図から想像される姿と異なる。狭い稜線をコルに向かって緩やかに下るのが本当だ。もう一度ピークに戻り、周辺をよく捜す。長い頂上台地のどこにいるのかがまず分かりにくい。台地の別の地点も確かめ、アセビが茂った先に稜線を見つけた。下り口にはテープもあった。O村さんはガーミンのGPSで現在地を確認し、この稜線が正しいことを裏付けた。
 この山行では、地形図とコンパスを頼りにコースを見つけ、GPSには頼らないことを基本にしている。
 最後の三角点ピーク奥組山(845m)に13:29着。以上5山には山名の看板がある。
 笠杉トンネルまで急傾斜地を下り、14:10に国道429号に出てほっとしたものの、携帯電話は頼みのDocomoも通じず、結局明延の集落まで歩くことに。民家の軒下で雨宿りしながらタクシーを待った。

 16日は当初、段ケ峰までの長途のコースを予定したが、降雨と時間超過のため笠杉トンネルで終了とした。残る区間(笠杉トンネル~段ケ峰~川上)はあらためて実施の予定。(辻本記) 

 
 第二次 詳細報告(平成28年5月22日 T田さんより)

  日時:2016514日~16
  メンバー: CL T本 SL T田    O村  I居  (会員4名)

 コースタイム

  514日(土)晴
 八鹿12:25~40==バス==大屋13:20~26==バス==奥若杉(おくわかす)13:42==宿の車==若杉峠(わかす)720m13:55~14:09――992.3mP(三角点)14:53~15:03――藤無山とのコル900m(林道終点)15:29~31――ロッジふじなし720m16:06(泊)  <行動時間1時間57分 歩行時間1時間29分> 

 
515日(日)晴
 ロッジふじなし720m6:00――コル900m(林道終点)6:42~45――道谷分岐1045m7:17――藤無山1139.2m(三角点)7:37~47――支倉谷分岐1015m8:26――最低コル895m8:47――946mP8:55~9:10――銅山953.7m(三角点)10:15~32――857mP11:03――大路越720m11:18――822.5m(三角点)11:40~48――古屋山760m(三角点)12:41~13:05――冨土野トンネルのネットの上605m13:57~14:27――トンネル西口(冨土野側)555m14:57――明延自然学校バス停留所335m16:13~56==バス==大屋17:20ごろ――ペンション翡翠17:40ごろ    <行動時間10時間13分 歩行時間8時間26分  休憩1時間47分>
 
 516日(月)曇り・強風 午後より雨
 宿6:00==宿の車==冨土野トンネル西口6:25~31――林道に出てその終点675m6:55~7:00――740mで尾根に出る7:12~15――748mP7:35――量見山(明延山)(三角点)86.4m8:00~05――798mP8:53~9:10――明神山(めいしんやま)791.2m9:52~55――834P10:27~29――872mP10:47~49――900mP10:55~57――三郡山(さんぐんやま)950m11:20~40――黒原山977.5m12:04~12――895mの平らなピークでルートミスして引き返し時間ロス約30分――奥組山845.6m13:29~35――笠杉トンネル西口への尾根に入る――笠杉トンネル西口(黒原側)585m14:10~25――神子畑の佐嚢(サノウ)15:25~55==タクシー==生野16:20~26==播但線経由帰宅
      <行動時間9時間25分 歩行時間7時間21分 休憩時間2時間4分(ルート間違い30分含む)>
    
    
          

                 


<記録>

 514

 素晴らしい天気である。私は宝塚から乗車。宝塚―八鹿―姫路の周回ルートだと200Kmを越えてジパングが使えた。
 八鹿の駅前は昔の面影を捜すが全く思い出せない。バスで大屋へ、そこで乗り換えて奥若杉へ。ほとんど乗客はなく、特に大屋からは我々だけであった。
 奥若杉には今夜泊る宿の車が待っていて若杉峠まで送ってくれる。結構な登りで、これを歩いたら大変。ここからは杉林の中を適当に登っていくが、やがてブナやコナラの自然林になり新緑がすばらしく美しい。明るい日光と相まって素晴らしく快適で、今の時期の山の、しかもこうした林相の山のよさを堪能する。
 992.3mの三角点からは快適な下りで折りきったコルには林道が延びている。北側に林道を下ればおおやスキー場、南には「道谷」の標識があるが、どれが道か判らない。正面(東)へは藤無山への道が続いている。整備された登山道とは言えないが、道は明瞭である。
 ここから林道を下るとしばらくは土砂崩れなどで車は通れなくなるが、やがて良い道になってリフトの頂上に出る、ここからも林道を下ることはできるが、刈り込まれた気持ちの良い草原のスロープがあり子供たちも遊んでいるのでその斜面を下る。やがて夏スキーの練習用斜面が出て来て、その横を下るとヒョッコリ今夜の宿「ロッジふじなし」に出た。

 宿泊客は我々ともう一組のみ。ここはオートキャンプ場になっていて少し下ったところは沢山のテントや露天風呂がある。けっこうにぎやかで、夜は星空ハイクなどの企画もあるようだ。
 宿は10畳でお風呂もマズマズ、そして夕食は大量の肉類とアマゴの炭火焼。いずれも美味しく、最初は食べきれるかと思ったが結局全部食べてしまった。翌朝は早いのでお弁当をもらう。これで7400円なので非常に良心的。

 515

 5時に起床。食堂で前日貰ったお弁当を食べる。どうも昨夜は食べ過ぎたのか、オニギリ1個で終わり。残りは行動食に持って行く。
 前日のコルまでゆっくり歩いて登る。6:45ここからが今日の本番が始まる。整備された登山道という感じではないが、道は明瞭で50分強で藤無山についた。今回の区間では最高点である。
 ここから進行方向に素直に進むと南側に良い道がありそこに引き込まれそうになる。本来は東に90度曲がる必要があり引き換えして方向修正。このようなところでも油断は禁物である。
 ここから小さなコブを経ながら900mのコルまで下る。次第に道が判りにくくなり、コルからの登りはよいのだが、下りは注意してルートを読む必要がある。銅山で大休止。宍粟市側の倉床川沿いに林道が奥まで入ってるためか、こちらから上る人が多いようで、銅山からの下りで合計4名の人と出合った。

 大路峠は昔は峠道があったのかもしれないが全くその面影はない。とにかく下りで、小さなピークが次々と現れるので、そのたびに降り口を慎重に読図。なお今回のコース全般に言えることだが、藪漕ぎは全くなし。下草は全て鹿に食われてしまったのだろうか、実生の幼木もなく、今後の森林崩壊が気になる。ただ地図読みには有難いが、それでも遠望は利かず、似たような尾根や山が延々と続くので、緊張感をもって歩く必要がある。幸いにもこの尾根は行政境界であるため境界杭が所々に打たれており、それを見つけるとホットする。
 720mのコルからは822.5mのピークまで急坂を登る。あとは基本的には下りになる。いよいよ冨土野トンネルに近づいたところでネットによって行く手を遮られる。その先も急傾斜で段々状に植林されている。
 ネット周りを偵察した結果、ネットに沿って西側に下るとコルに出る。ここからは林道の跡のような道があり、それを取ってトンネルの西側に向う。途中で翌日に登る明延山への登り口と思しき赤テープを見つける。その先の窪んだ沢状の植林の中を強引に下ると道路に出た。数十m東に行くとトンネルの入口である。よく観察するとトンネルを出たすぐの小さな石垣の上から翌日の明延山へは行けそうである。

 とにかくこれで今日の行程は基本的には終わりだが、これからトンネルの中を歩き、さらに自動車道を1時間ほど歩く。このあたりは昔明延鉱山があった由で、途中に坑道の入口などがありそれを見ながら下る。バスの終点の明延自然学校は廃校になった校舎を利用したもので10人以上なら教室に泊れるらしい。
 地元産の木材で出来た巨大な体育館もあり、これは一見に値すると思う。ここに荷物をおいて明延の町を散策。人はほとんど居らず、建物の様子から往時の賑わいを想像するのみ。
 バスで大屋にもどり、そこから20分弱歩いてペンションに行く。ここも我々ともう一組だけ。ツインの部屋に補助ベッドを入れて男3人が入り、市居さんは1人部屋。ただし一人部屋はシャワーはない。食事は結構豪華で私は食べきれなかった。翌朝のオニギリを頼んでおく。食堂で話し込み部屋でテレビを少し見て就寝。

 明日の雨は避けられないようだ。

 516

 5時起床。すでに弱い雨が降ったようだ。天気と昨日までの時間からすると今日中に段ヶ峰を越えて川上までは一寸無理かもしれない。ただなんとか笠杉トンネルまでは行きたい。ここまで行っておくと、笠杉トンネルから川上は日帰りでも可能なので先の見通しが立つ。
 宿が予約してくれた車で昨日の冨土野トンネルの西側の入口まで送ってもらう。ここからは昨日目星をつけた石垣からとりついて急なくぼみを登る。ひと登りで昨日の林道らしき道に出てその向が、昨日気づいていた赤テープでここから引続き急坂を登る。すると突然立派な林道に出た。
 舗装はされていないが、これが冨土野あたりから上がってきている林道のようだ。これをたどっていくと間もなく終点になりその先の尾根に上がるとその尾根はトンネルの上を過ぎてきている尾根に合流していた。
 これで本日のメインルートに乗ったわけである。ただこのあたりから、大変な強風となる。ここから748mPまでは尾根通しであるがこのピークでルートは90度曲がりほぼ北向きになる。やがて尾根は次第に東に曲がってやがて明延山。ここから尾根は南東に向いすぐに南に向う。少し降りたコルには地形図では登山道が通っていることになっているが、全くその形跡はない。
 第1区間の牛ヶ峰山も第6区間の雪彦山もトンネルで自動車道ができると、昔の峠越えの道は全て廃道になってしまったようだ。

 ここから幾つかの小ピークを越えて降りて、又登ってを繰り返す。下りの時は地形図を全員で検討、方向だけでなく、尾根の広さや傾斜など総合的に読み込む必要がある。所々で行政境界の杭を見つけると正しかったとホットする。
 明神山(名神山)をすぎると尾根は次第に南から東に変わりやがてU字方に北向きに変わる。このあたりからいよいよ雨が降り出した。900mで尾根は東北東へ折れて三郡山に至る。明神山からここまでは大きな方向変化があるが尾根自体は急な登り下りがなく案外早く三郡山(さんぐんやま)についた。
 ここは養父市、朝来市、宍粟市(旧養父郡・朝来郡・宍粟郡)の分界点である。ここで昼食。ここまでくれば、笠杉トンネルまでは射程距離に入ったが、まだ気は抜けない。
 ここから尾根は90度以上曲がり南に向う。さらに黒原山977.5mに至る。ここから基本的には下りだけになるが、地図読みは難しい。尾根は南西方向に変わって快適な尾根を進んだが895mの快適な山頂で見事に道を間違えた。一つには現在地が936mあたりか900mあたりかということで、もし前者なら南東方向に出ている尾根に入らないように南西方向に進まないといけない。もし後者ならここで向きを南東方向に変えなければならない。
 どうしたことか行政境界の杭ではなく私有地の境界杭が南西方向に続いておりそれにだまされてしまった。しかし少し下るうちにどうも尾根の様子が違うし、左手に大きな尾根が見える。どうもおかしいということになった。ここまでは全て地図とコンパスだけで来たが、O村さんの伝家の宝刀のガーミンのGPSで調べたところ、やはり1本西よりの尾根に入っていることが判った。再度登り直して頂上で偵察。正しいルートはアセビが生えているところ巻き込むとそのすぐ後から細い尾根が続いている。しばらく下ってみると行政境界の杭が出てきた。やはりこれが正しく、ホットする。結局このために30分近くロスをした。

 奥組山845.6mの先で尾根は二つに分かれて左手は笠杉トンネルの上にでる。このころには雨は結構激しくなっており、全員笠杉峠で下山に異議がないので右手の笠杉トンネルの西口へ出る尾根に入る。とにかく車道に出るときには切り通しになっていて擁壁があると、降りられないので、これが切れているトンネル出口ギリギリを目指した。これは上手く行って、無事トンネルの前にでることができた。
 ここから携帯でタクシーを呼ぼうとしたがdocomoauとも圏外。しかたがないので神子畑(みこばた)まで歩くことにする。昨日と同じく1時間の道路歩きで佐嚢(サノウ)の端の一軒屋を見つける、大きな軒下があり、お留守だがそこを貸してもらってここから携帯で電話をして生野のタクシーを呼ぶ。
 濡れ物を着替えたりして身繕いができたところでタクシーが来た。運転手の説明では神子畑は昔大きな精錬所があったとのことで、栄えたらしい。
 生野までは20数分で6000円弱。ほとんど待ち時間なく、播但線の寺前行きに乗れた。寺前で乗り換えて姫路には17:30ごろに着いた。

<感想>

・やはり1日で冨土野トンネルから川上までは天気が良くても無理だっただろう。結果的には良いコース取りであったと思う。
・第3日目はコース自体がクネクネと良く曲がっておりルート取りはむつかしい。特徴的な山もなくひたすら地図とコンパスを睨みながらの山歩きは疲れるが、独特の面白さがある。
・植生としては稜線ではブナ、コナラなどの新緑が素晴らしく、晴れていれば勿論だが、雨の中でも乳白色の霧の中の鮮やかな緑は独特の情緒がある。
・谷間では藤、蛇結茨(じゃけついばら)、タニウツギ、シロバナウツギなどの花が鮮やかで、日本海側の天候の影響かもしれない。
・尾根筋には殆んど藪はなく、草そのものが根こそぎ食べられていて、その上を風が通るので綺麗に掃除された庭園のような場所が多い。人工林に入ると枝打ちの杉の枝が一面に落ちているが、ひどい倒木帯はほとんどなかった。ただ急斜面を木を掴んで登る、あるいは下るのでフクラハギが痛くなる。重荷だと結構辛いだろう。 <T田さん

 
   第1回より第5回までのルート開発の歩行図(平成28年5月25日現在)

 I居さんからの報告です。兵庫県縦断トレールも40%完歩したので、全体図を北部、南部ととして予定箇所は点線、完歩箇所は線に変更しています。


                
          北部                                          南部

  

  第6回目 山行報告   兵庫縦断トレール第2区間(海上~扇ノ山~氷ノ山~分水嶺尾根~若杉峠)

 

日時:2016年6月10日~12日
メンバー:CL T田  SL T本  (合計会員8名) 

天気:10日晴れ 11日晴れ~曇り 12日曇り~雨 

<コースタイム>

610
三ノ宮==全但バス==湯村温泉11:30==タクシー(ジャンボ)==海上350m11:5512:15――左馬殿道の尾根510m12:4550――石橋分岐535m12:53――675m13:2535――溜池横690m13:45――青下(アオゲ)分岐770m14:00――林道(車道)875m14:2244――上山分岐から頂上往復の時間14:2537――車道経由――小ズッコ小屋分岐1005m15:24――小ズッコ小屋1100m15:3040――河合谷登山口からの道合流点1110m15:4853――水汲み――元の場所1110m16:3040――1245m17:1220――畑ヶ平への分岐1240m17:35――扇ノ山頂上(避難小屋)1309m17:44 (行動時間5時間29分 水汲み約40分含む。水汲み含む当初計画5時間30分) 

611
扇ノ山5:30――諸鹿越分岐1270m5:37――1080m6:0610――畑ヶ平登山口分岐1055m6:17――諸鹿越道路1015m6:2932――東因幡林道入口935m6:507:00――935m8:0210――水場945m8:4048――1005m9:5510:12――桑ヶ峠960m11:1142――1195m12:3440――1300m13:2030――赤倉山1332m13:4555――鉢伏山への登山道1270m14:3040――氷ノ山越1250m14:42――水汲み:一口の水の組15:50、鳥取県側の組16:20 戻り   (行動時間9時間12分。当初計画8時間20分 これと別に水汲み1時間以上。) 

612

氷ノ山越避難小屋5:00――仙谷分岐1410m5:45――氷ノ山1509.8m6:1025――三ノ丸1464m7:1116――殿下コース分岐1395m7:29――殿下コース登山口1200m7:568:00――1126mP9:11――1100m9:2935――1065m10:0408――1080mP手前10:2745――1039mP三角点(十年)11:3545――996mP12:00――950.3mP三角点(六郎谷)12:4555――926mP13:27――送電線鉄塔910m13:3245――939.9mP三角点(横行)14:1213――800m付近雨具を着ける14:5015:00――若杉峠735m15:1217――奥若杉バス停405m16:1517:19==八鹿18:2518:43==特急こうのとり==帰宅  (行動時間11時間15分 当初計画10時間30分)

<記録>

 梅雨の晴れ間を突いた理想的なコンディションであった。最後の2時間弱は雨になったが、このシーズンでは最良の条件と言って良いと思う。

   610

 朝から良い天気で、全員三ノ宮の全但バス乗り場に集合。ゆったりと空いており、途中で一回休憩で道の駅に止まった。バスにトイレがついているので、乗客は困らない。到着したらすぐ歩き出したいのでバスのなかで早いが昼食を済ませてしまう。
 バスは5分弱遅れて湯村温泉のバス停に到着した。予約しておいたジャンボタクシーで海上まで入る。5500円程度。降りた場所は第一区間で降りてきた所で、その時はここからタクシーで浜坂まで下った。

 写真を撮り、予定より15分遅れの12:15に出発。実は海上から左馬殿道に出るまでの道が判りにくいとのことで、まずはここが関門であったが、しばらく車道を行くとコンクリートの壁に消えかけた看板がありここが入口と判った。
 そのすぐ上で人家の横に幅1m弱の細い道がありそこを登ると、林道に出た。さらに少し林道を歩くと、やたら立派な道標があり、そこから尾根に向かって取り付く。ただし道は荒れていて、もう何年も手入れがされていない感じである。それでも歩き出して30分ほどで尾根に上がった。ここには判りやすい道があり、第一関門は突破
 緩やかな尾根道を歩くとやがて水音が聞こえだし、そのうちに道の側を水が流れるようになった。これは上の溜池から海上への水路らしく、尾根の上を水が流れるという珍しい光景である。
 やがて木が切りはらわれて広々した高原状になり海上からの車道に出る。ここは上山高原の一角らしく案内板やトイレがあるが、これは使えない。

 少し進んだ所で上山への登山口があり、元気なE口、K田、O西の3氏が往復してくる。地形図ではこのあたりから登山道で小ズッコ小屋のほうに行けるはずなのだが、どこが入口かわからない。
 どうも車道ができてからは、誰も通らなくなって廃道になっているのかもしれない。しかたがないので車道を進むことにする。やがて避難小屋をすぎてひたすら車道を歩く。
 結構登りであり、疲れる。やっと小ズッコ小屋の案内板が出てきて小屋に向かう。小屋は結構きれいだが、もうひと頑張りして扇ノ山まで進むことにする。
 やがて河合谷コースの道に合流し、ここにザックをおいて水汲みに下る。場所は車道に出て100mほど右手(上山高原方向)に行くと、駐車場と立派な休憩所があり、豊富な地下水が出ている。
 帰ってからGPSの記録を見ると小ズッコ小屋に寄らず、まっすぐ車道を歩いてここに来れば、大分時間をセーブできたはずである。
 一人3L程度の水を汲み、もとに戻る。ザックに水を入れると3Kgは増えたので、ずっしりと重くなる。結局水汲みに50分近く時間をとったことになる。
 ここから扇ノ山までは一番ポピュラーなコースで道もしっかりしているし、天気も良いので、ゆっくり歩き、1時間程度で頂上の避難小屋に着いた。
 この小屋は本当に素晴らしく2階はガラス窓が多く眺めも良いし、まず何と言っても清潔。E口さん、K田さんが苦労して持ってきた500mlのビール2缶を開けて乾杯。その後料理をしながら、イワシの丸干しやサラミを肴に焼酎のお湯割りを飲む。夕食はE口さんが食当で今夜はハヤシライス。玉ねぎを炒めるところから始まる本格派。
 全員満腹となる。ただ私はどうしたことか胃が痛くなり、数口食べただけで残して、後で食べることにする。

 暗くなると遠くに鳥取市街に灯が見える。天気はすばらしく三日月が昇り、そのそばには多分火星かと思うがおおきな赤い星が出ている。私が寝たのは窓際だったので、寝ながら月と火星を眺められた。
 本当に幸せな時間。ひと眠りして11時ごろだっただろうか、目が覚めた。胃の痛みはなくなっており、お腹が空いたので、食べ残しのハヤシライスに少し水を加えてバーナーで温めてオジヤにして食べた。

     611

 4時起床。味噌汁、納豆の朝食を食べてパッキング、トイレ。
 ここから遠くに氷ノ山が見える。頂上の小屋が小さく見える。
 諸鹿越の林道までは一般登山道なので簡単に下れる。ここから林道を諸鹿の方へしばらく下ると左手に東因幡林道の入口が出てくる。チェーンが張ってあり、車両通行止めである。ただ歩いてみた感じでは車の通行は可能だと思う。しばらく行くと沢筋を横断するところが随所に出てきて水が取れる。
 道はほとんど等高線沿いにつけられているので、大きな登り下りはない。結局4時間歩いて桑ヶ峠に着いた。ここまでは氷ノ山スキー場からの舗装道が続いている、反対側は桑ヶ仙林道だがこれは通行禁止になっている。
 ここで昼食を食べてゆっくり休む。ここから赤倉山までは道は無く標高差も400mの藪漕ぎルート、しかも岩場がある。全員ヘルメットをつけ、簡易ハーネスをつける。

 正面のやや右手から取り付き、ひたすら登るが、藪はそれほどではない。やがて岩場が表れだし、藪も茂ってきてザックが良く引っかかる。そのうちに正面に大きな岩壁が現れる。
 尾根通しは無理なので、左手を巻くように登るが結構な急斜面。一か所、細引きとテープシュリンゲで後続の人たちのホールドを作る。
 岩場だけならたいしたことはないが、藪が多いので体力を消耗する。
 ようやく赤倉山の頂上に到着。ここから北東に向かって進むと鉢伏山への縦走路に出ることは判っていたが、氷ノ山越に向かって立派な切り開きがあるので、そちらに下ってみた。ところが十数mも行くと切り開きは無くなり、根曲竹の猛烈な藪になる。強引に下っていくが、竹の向きが東から西に向いているので、どうしても西の
方向に追いやられる。
 そのうちにふれあいの里登山口からの道が見えてきて、明らかに西に下っていることが判る、強引に東にむかって藪を漕ぐと数分でヒョッコリと縦走路に出た。全員ぐったりと休憩。空身で10mも行ってみるとすぐ下に氷ノ山越の小屋が見えた。とにかく小屋の前に集合。ここから水を汲みに行かねばならない。
 ふれいあいの里から登って来た登山者に聞くと、しばらく下ったところに川が流れているとのことだが、まずは安全を見て一口の水へ水汲みに行く。ところが、これが本当にチョロチョロ出ている水場でこれで水を汲んでいてはどれだけ時間がたつかわからない。ここで今日中に氷ノ山頂上小屋に行くことは諦めて、氷ノ山越泊に決定。T本、K田、O西の三人は弘法の水まで下って行ったが全く枯れていて水が無かったと引き返してきた。
 結局この3人とE口の4名はふれあいの里側に下りて水を汲みに行ったが、結構な距離があったそうで、全員がそろったのは16:20であった。これから1時間以上歩く気力もなく、氷ノ山越泊にしておいてよかった。

 まずは500mlのビール2缶を分け合って乾杯。残っていたウイスキーの水割りを飲むうちに夕食ができた。市居さんが食当番でチンゲン菜に豚の角煮を入れたどんぶり。なかなか美味しかったが少し量が足りなかったようだ。
 今夜が最後の夜なので、食後のコーヒーを飲みながら山談義が続く。会の今後の在り方などなかなか有意義な議論ができた。よく日は3時半起床、5時出発ということで早めに寝る。
 

    










    612

 まだ暗い3時半に起床して食事の準備。今朝はラーメン。夜が明けた5時に出発する。空は曇っているが、まだしばらくは天気は持ちそう。なんとか雨が降り出す前に難関を抜けてしまいたい。氷ノ山の頂上の小屋は結構立派だが、扉は開けっ放し。一般登山者が使うからだろうが、これは怪しからん事態である。熊に入られたり、雨が吹き込んで扉が潰れたりしたら、いざという時に命にかかわる。
 山座同定をすると遠くに扇ノ山が見える。あの更に向こうから歩いてきたのだ。それにしてもこのあたりの山は似たような山が多く、山登りの対象として見た場合、地味であり、今回の縦断でもなければこのようなコースを歩くこともないであろう。
 いずれにしても兵庫縦断の全コースの中の最高峰である。三ノ丸から殿下コースの登山口まで下る。ここには立派なバイオトイレがあり、すぐ先の広場には養父市と宍粟市との境界の立派な碑がある。
 トイレの横からは手取川源流という道標と道があるが、それがどこを指すのかわからないので、とにかく忠実に両市の境界線沿いに歩くことにする。最初の10mほどは切り開きがあったが、そこからは全くの根曲竹の藪。非常に広い林の中なのでルートが読めない。

 GPSで大分東に進んでいるということなので南西に方向変更。すると先ほどのトイレの横からの道に出た。しばらくこの道を歩くがすぐに藪になってしまう。ただこのあたりまで来ると尾根が明瞭になり、間違うことはなくなる。
 もともと、殿下コースは山スキーのコースであったので、やがて木の中ほどにスキー用の案内板が出てきた。2枚ほど見つけたが、おそらく戸倉へ抜けるコースがあったのだろう。 このあたりから根曲竹は無くなり、第三区間で経験したような下草の全くない尾根道になる。後は地図を片手に忠実に市境尾根をたどるだけだが、とにかく似たような尾根が多い。 ところどころ境界杭がるが、国土調査の杭、地積調査の杭、その他古い杭などが混在しており、さらにどうしたことか全く杭のないところや、地積調査の杭などは境界尾根から外れて続いている場合もある。とにかく間違って登り返しなどをやっていると、時間がどれだけかかるか判らず、絶対にルートを間違わないこと、間違いかけたらすぐに修正することに心がけた。そででも4~5か所間違ったが、GPSのおかげで大きく間違うことは無かった。
 とにかく、林の中で見通しが利きにくいこと、周りの山が見えても似たような低い山の連なりであることなどから、自分の位置を常に確かめていなければならない。第三区間以上に地図読みはむつかしく、神経が疲れる。13時半にようやく送電線鉄塔に到着。ここは間違いようのない場所で、本来なら山の雰囲気を壊す所だが、今回はホットする。ここまで来たら後2時間もすれば若杉峠には着くだろう。
 若杉峠には16時には到着したいが、その目途がたってきた。939.9mの三角点の先で90度曲がる必要があるがこれはうまくいった。
 やがてすぐ側まで林道が上がってきており、これに降りることも可能だが、どのあたりに出るのかわからないので忠実に境界を辿る。もう少しで若杉峠というところで雨が降り出したので雨具をつける。
 若杉峠のすぐ上は擁壁があって降りられないが、前回の第三区間の時に下見してあったので、少し宍粟市側にトラバースして無事県道48号に出ることができた。
 全員でかたい握手。ここで横断幕を広げて記念撮影。この達成感は何とも言えない。
 ここから奥若杉のバス停までは自由に歩く。途中で大きな山椒の木を見つけて、T本さんは多量に葉っぱを採取。
 ちょうど1時間でバ
ス停に着いた。バスの発車時刻までは1時間近くあるので、側の無人になっている家の軒先を借り身づくろいをする。この辺りは過疎が進んでいるせいか、誰にも会わないし、やって来たバスには誰も乗っていなかった。バスは八鹿まで直行であるが、途中から乗って来た人も数人。午前、午後各1本の路線でこうだから、やがては廃線になるかもしれない。
 八鹿駅前には食堂も店もないが、バスの切符売り場で酒屋を聞き、列車を待つ十数分の間にビールを大急ぎで買い込んだ、特急こうのとりは車内販売もないので、夕食は食べられなかったがとにかく無事帰宅することができた。
 今回は出発を5時にしたことは大正解。もし6時にしていたら、同じ時間で歩いてもギリギリ間に合う間どうか。ルートの間違いをやっていたら間に合わなくなっただろう。その場合はタクシーを呼ぶしかないが、バスで1時間かかる距離だから金額的には大変だったと思う。
 兵庫縦断の中でも最難関のコースを無事完成することができた。これで兵庫縦断完成には大手をかけることができたと思う。 (T田さん記)


   第7回目 山行報告  兵庫縦断トレール 第8区間(その1) (宮置~鞍掛山~清水橋)

 
日時:2016618

 メンバー: CL O村  I田 T王谷  O田  H中  T田  (合計会員6名)

 天候:晴れ(非常に蒸し暑い)

コースタイム: 姫路9:10==タクシー==宮置60ⅿ9:30~9:40――尾根に上がる1409:55~10:00――北側からの主尾根240ⅿ10:18~25――
鞍掛山311.7ⅿ10:53~
11:08――南尾根に入っているのに気づき引き返し11:15――頂上11:25~35――再び引き返し南尾根を下ることにして南尾根290ⅿ12:08~38――南尾根195ⅿ電波塔(NHK)13:03~04――電波塔140ⅿ13:20~14:05――清水峠への車道70ⅿ14:23~30――玉田バス停55ⅿ15:10~32==バス==姫路15:55ころ。

 <記録>

 多くの人が参加できるように姫路からタクシー。3人乗り2台で1300円/人くらい。昨年末の偵察の成果で間違うことなく取り付きに達した。
 荒れた林道から尾根に上がり、さらに登ると北からの尾根に到着。藪はほとんどなく、やたらと暑いことを除けば順調に進む。
 軽く少し降りてそこから一登りで鞍掛山の頂上に達した。三等三角点がある。
 ここまでは順調でいよいよ西側の林道目指して下る。薄い踏跡がありそれに従っていくと、どうも南側の尾根に入っていることに気づき、引き返す。
 目指すルートは西側に向かう尾根なのだが、なかなかその入口が見つからない。ようやくなんとか下れそうな尾根に入ったがやがて猛烈なシダの藪になり結局あきらめてもとに戻った。
 兵庫縦断で出くわしたなかでは最も厳しい藪であった。結局南尾根を下ることにして大休止。昼食にする。
 ここから南尾根を下るがこれも決して良い道があるわけではなく、結構厳しい藪尾根だがなんとか踏跡らしきものがある。
 195ⅿに電波塔があり、これが地形図の184ⅿの電波塔かもしれない。地図では不明の140ⅿの電波塔で休止。
 時間的には車道に出るのは14時ころになるだろうし、そこから清水峠まで登り返すと14時半。書写山の登り2時間、下り1時間とすると17時半でギリギリだが、道を間違うともっとかかるし、この暑さではかなりバテテいるので、今回は車道までとして、帰ることに決定。
 そうなるとゆっくり休もうということで45分も休んでしまった。ここからの下りもなかなか大変で車道に出る直前は民家と閉店した店の間の狭い隙間からやっと車道に出た。
 ここから車道を歩いてバス道に出て清水橋のバス停に行ったがバスは10分前に出たところ。

 次は2時間待たないといけないので、書写山のロープウエイ目指して歩くことにする。途中で今回下りてくる予定の置塩坂の登山口を発見。ここから登り1時間と書いてあった。 山冨団地からの道と合流した先の玉井のバス停で時刻表を見ると15:32と後20分でバスがあることが判明。どうも山冨団地から来るようだ。
 木陰で20分待ってバスに乗り姫路駅へ。ここで解散した。

 とにかく猛烈に暑く、しかも猛烈な藪に何度も突っ込み、引き返しを繰り返して、体力を消耗した。
 清水橋―清水峠―書写山―置塩坂は次回の(その2)でやることになる。その場合は増位山までは行けないかもしれないが、廣峯神社までで終えてもよいかもしれない。
                                                                       (T田さん記) 


     第8回目 山行報告  兵庫縦断トレール 第3区間の残り部分(笠杉トンネル~段ヶ峰~川上)

 日時: 平成28年7月6日
 メンバー:  CL T本 SL T田   O村 計3人 曇のち晴れ

 コースタイム: (m)は標高。林道はキロポストを表示
新神戸06:13=姫路=07:58新井~タクシーで08:25笠杉トンネル(585m)08:30~大野からの林道(740m)13.4Kmポスト09:06~林道分岐(845m)12.5Kmポスト09:21~上千町からの林道分岐(退避スペース有り)(845m)12.4Kmポスト09:31~南西に延びる新しい林道(910m)11.7Kmポスト~10:05笠杉山登山口(895m)(通過。すぐ先で千町小屋への道を分岐)~10:12「千峰」碑 (895m)~10:18笠杉山への別の登山口で田路への林道分岐(900m) 10:25大乢10:45(林道を離れ登山道へ)~11:23山上庭園(1085m)~11:30ピーク(1070m)11:35~11:45杉山(1088m)11:52~12:27段ヶ峰三角点~12:30山頂13:03~13:26千町峠(975m)~(林道)~14:18福知川から峠へ(810m)~14:34峠(885m)14:54~新道経由15:30県道39号~16:00川上(福田寺)16:05~タクシーで16:25JR寺前16:46=17:34姫路(解散)

  <記録>
 第3区間の残りは6月28日に予定していたが、天気が悪く7月6日に延期した。幸い曇りで風も適度にあり、下界が猛暑の中でも山中は絶好のコンディションだった。
 この日を逃すと実施時期が大きくずれ込みそうなため、一回で決めようと気合いを入れて始発の新幹線で姫路へ。播但線に乗り換えて新井(にい)に。予約しておいたタクシーで前回(5月16日)雨の中を下山してきた笠杉トンネル西口に08:20に着いた。
 横断幕を出して記念撮影。基幹林道千町段ヶ峰線をたどった。
 林道は緩い上りだ。付近にはミツマタの木が多い。途中、道路上にわりあい大きくて新しい動物の足の骨が落ちていた。
 林道開通記念と思われる「千峰」の碑を経て、約2時間で880mの大乢(おおたわ)まで。ここで地元の単独行男性と出会い、この先のルートを聞いたり、われわれの兵庫縦断計画を話したりした。
 大乢からやっと山道に入る。地蔵さんの祠に一礼してきれいなブナの尾根道をたどった。岩や木々の配置が絶妙な「山上庭園」を経て杉山への分岐に。せっかくだからとわずかにルートを外れる杉山へ足を伸ばすと、目の前に素晴らしい段ヶ峰の眺望が広がった。 
 分岐に戻り、コルまで下がっていよいよ段ヶ峰に登る。生野町側は少しガスが巻いている。1103mの三角点を経て、1106mの山頂で記念撮影し大休止。
 昼食をゆっくり取り出発しようとすると、T本の背中に蛭が付いているのを発見。ほか2人もチェックしたがOKだった。どこでついたのだろう。
 南西の尾根を下り「悠友山荘」という個人の小屋の脇から千町(せんちょう)峠の林道へ。
 幾つかの林道が交差していて分かりにくい。福地川へ下る林道を見極めて下ると川沿いの道になる。このあたりは一面、間伐材の切り出し作業の真っ最中で、トラックや重機がうなりを上げている。重機のそばで作業をしばし見学。1台目がワイヤーで木を引き出して2台目に渡すと、2台目は重機の先でくわえたまま枝を払い、適当な長さに切断して3台目に。3台目はそれをトラックの荷台に、という連携作業で、少人数で能率のよい作業に感心した。
 福知川沿いは緩やかな流れに沿ってのんびりする道だ。途中、ミツバチの巣から蜜を集めているおばさんや、毒蛇のヤマカガシ、モリアオガエルの白い卵がいっぱいぶら下がった池など自然が豊富。800mで川に別れ、885mの峠から川上へ。新道と旧道があるが、旧道はほとんど踏まれておらず、新道を取る。
 県道39号に下りたところで猿の親子3匹に遭遇。写真を撮る間もなく姿を消した。川上に下りながら第4区間のスタート地点を通過、タクシーを呼び、JR寺前駅に出た。(T本さん 記)


                                                                                     ルート図作成 O村さん







  第9回目 山行報告  兵庫縦断トレール第6区間(その2)
 (小畑トンネル~明神山~岡村) 

  日時:2016/07/16(土)
 メンバー: CL T田 SL T本   I田 K田 計4

  天候:曇

 <コースタイム>

 三ノ宮7:20==神姫バス==夢前8:40==タクシー==小畑トンネル西側370m9:00~17――530mP9:45~55――600mTVアンテナ10:15~18――太郎岳620m10:35~39――次郎岳分岐580m10:47――560m11:24――四等三角点590m11:38~45――535m南西方向へ90度曲がる12:13~30――五郎山550m(大明神コース合流)13:05~12――小明神山612m13:29~30――明神山山頂668m13:43~14:06――地蔵岳520m14:34――合掌岩400m14:50~15:00――くじら岩300m15:15――屏風岩260m15:31――長谷池への分岐230m15:35――Cコース登山口170m15:40――岡村バス停110m16:51(バスは16:59発の予定が17:04になった)

 <記録>
当初予定は717日(日)であったが、天気が崩れそうだとの予報で、16日(土)に変更した。

またJRで姫路に行き、そこからバスの予定であったが、直前になって三ノ宮から山崎行のバスに乗り、夢前で降りると三ノ宮発が1時間近くおそくても、夢前(前ノ庄とほぼ同じ場所)には20分ほど遅れるだけで到着することが判り、これに変更した。この結果、池田さんも参加することが可能となった。
今後、雪彦方面に行くには、このバスを使って、夢前からタクシーというのが一番便利だろう。なお、夢前から小畑トンネルまではタクシーは3600円弱なので4人なら一人当たり900円弱である。

小畑トンネルはこれで偵察も入れると4回目である。雪彦山から続く尾根に上がり、今回は反対の南を向いて進む。
 割合明瞭な踏跡があるが、しばらくは急登である。530mの小ピークまでくると、傾斜は緩くなるが、以降は小さな登り下りが続く。600mのピークにはTVの共聴アンテナがあり、どうもこの施設の保守用に踏跡があるようだ。
 これを過ぎると踏跡は薄くなるが間もなく太郎岳に到着。ここから先は結構登る人がいるらしく、インターネットで検索すると記録が出てくる。したがってところどころにテープなどの印が現れる。
 次郎岳の分岐を過ぎるとインターネットでは恐ろしい岩場と書かれている岩場に到着。切れそうなトラロープがあるとのことで、30mロープを持参したが、現場についてみると新しいトラロープに付け替えられており、岩場もたいしたことはなく、三点支持をしっかりやってクライムダウンすれば、問題なく下れる。
 結局ロープを出さずに通過してしまった。もっともメンバーによっては簡単なロープはあったほうが良いかもしれないが。ここを過ぎるともう一度急な登りを経て三角点へ。このあたりまで来ると西の方にT字尾根の岩場が正面に見える。なかなか面白そうで、秋にでも行ってみたい。
 ここまでくればこの先で90度曲がることに注意すればもう大丈夫というところだが、一つ手前の小ピークから南に曲がりかけた。油断禁物。
 地図を読み直し周りを偵察して一つ先の小ピークまで行くと、はたしてこれが正解で、後は正面に見える五郎山に向かって進めばよいことが分かった。ちょうど昼頃なのでここで昼食。ただこのあたりから蛭が表れだしてどういうわけか、T本さんに集中的に取り付く。

 五郎山から一度下って小明神山、そして明神山頂上に着いた。蛭は山頂が近づくに従いますます多くなり、T本さん以外にも全員に取り付く。ズボンの裾はもちろん頭上からも来るようで油断がならない。全員で注意し合い怪しい感じがすればすぐチェックして取ってもらったので、血を吸われる被害者はいなかった。ただ私は帰宅して風呂に入るために靴下を脱ぐと右足の外側がやられており、血が流れていたが、靴下に吸収されて気が付かなかった。丹念に探したが蛭はおらず、どうも満腹して離れた様子である。

 頂上で身体検査をして見つけた蛭は殺したが、何匹かは行方不明になった。これから登る人は要注意である。
 明神山からの眺望はなかなか良く、瀬戸内海も見える。ゆっくり休んで、岩場が多いCコースを下る。最初はロープが張りめぐらされた岩場を下る。トラロープは皆新しく張り替えられていた。

 地蔵岳を一登りすると、あとはいろいろ面白い岩場が続く。いずれも一枚岩でフリクションを利かせて下る。今日は曇りで直射日光がなく、また気温も比較的低い。
 合掌岩では心地よい風が吹いて、しばらく休む。このコースには全く蛭はおらず快適。南面で乾いているからだろうか。やがて長谷池への分岐が現れて、立派な道標があり、これにしたがって下るとCコース登山口。ここは同時にBコースの登山口でもあり、さらに数十m先がAコースの登山口であった。さらに100mほどで夢やかたの農場公園やオートキャンプ場があった。なお長谷池はCコースの尾根の東側の谷に作られた溜池のようで、ネットでは岩尾池(岩尾ノ池)とも言われているようだ。

 バスの時刻表を見ると三ノ宮直通は時間的に無理なので、岡村まで歩くことにする。ここは第7区間の出発点であり、完璧に徒歩でコースをつなぐことができる。地図をたよりに農村の中を歩き、岡村のバス停にはバスの予定時刻の8分前に着いた。

 これで浜坂から書写山下の書写吹までトレースは完全につながった。8月は暑さもあり計画はなし。9月、10月に最後の2区間のハイキングで有終の美を飾りたい。
 なお、76日の段ヶ峰でも1匹蛭がいた。段ヶ峰までは6月末まで、段ヶ峰以南は5月末まで、中国自動車道以南は4月末までというのが、虫や蛭を考えると妥当なところだろう。

 また、明神山の頂上には「明神山では年中銃による狩猟が行われている」との看板があり「正規のルート以外の入山はやめてください」との記述があった。そういえば途中で一度だけ犬の声を聴いたような気がする。今回のコースは気をつけた方が良いだろう。できればラジオの大きな音を立てるとか、鈴を鳴らすようなことを考えた方がよさそう。特に狩猟期の1115日~315日は入山は控えたほうが安全だと思う。(T田さん記)

                                                                                 ルート図 作成 I居さん 

      第10回目  山行報告 兵庫縦断トレール第8区間(その2)(山冨――増位山――姫路)

  日時:2016925日(日)
 メンバー:CL O村  (会員合計11名)

 天候:曇 一時雨

 <コースタイム>
姫路9:00==タクシー==山冨橋40m9:30~33――氷室池9:50――200m 10:38~45――空港予定地分岐11:25~30――吉備神社305m11:50~55――廣峯神社300m12:00~54――随願寺13:50~55――増位山/ソーメン滝分岐250m14:10~15――増位山258.9m14:20~25――登山口70m15:05――姫路城(市立美術館先の休憩所)15:55~16:15――姫路駅16:40

 


 <記録>

 出来るだけ多くの人に参加してもらえるように姫路集合は9時として、タクシーで前回(その1)の終了点との分岐の山冨橋まで行く。一人840円であった。
 ここから車道を
5分ほど歩いて川のそばから林道に入る。この林道は氷室池の先まで続いており、その先から支流沿いの山道になる。
 氷室池のそばで横断幕を広げて恒例の記念撮影。ここには山栗の木があり、すでに実は熟していた。この道は近畿自然歩道であり、このあたりから少し藪がある。
 道は明瞭で標高
150mあたりから尾根に取り付く。200mあたりで小休憩。曇っておりそれほど暑くないので助かる。
 ひと登りで傾斜の緩やかな尾根道になり、やがて廣峯神社の一角に入り幅広い道になる。右手に吉備神社の標識があり、
10mほど登って参拝。小さな社殿であった。
 それから
5分ほどで廣峯神社。これは大きな神社で、車で来ることもできる。姫路市街が一望できる。トイレや自動販売機もあり、休憩所に入ってゆっくりと昼食。

 随願寺への道も気持ちの良い散歩コースで地元の人が散策に歩いている。綺麗に整備された池の端に出て(ここへは車で入れる)、ちょっと登ると随願寺。このお寺も立派な大伽藍である。
 増位山/ソーメン滝の道標にしたがって進み、やがてソーメン滝への分岐をすぎると増位山。この手前に頂上を巻く道があるが、標高差10mほどなので登ると、素晴らしい眺望が広がる。
 このころから雨がパラパラと来たので折り畳み傘を出す。雨はたいしたことはなく、最終の第9区間も一望である。横断幕を広げて写真撮影をし、あとは下るのみ。途中で一か所小さな登りはあるものの
30分強で登山口に出た。
 このころから雨は上がり、ひたすら車道を姫路駅目指して歩く。姫路城の東側にある姫路市立美術館のそばの休憩所で小休止とトイレ。姫路城を側面からみることができて、少し変わった趣である。後はみゆき通りの商店街を抜けて姫路駅に着いた。
 時間がたっぷりあるので、ゆっくり休憩をとりながら楽しく歩くことができた。冬の陽だまりハイクには丁度よさそうなコースである。ともあれ、ついにあと
1区間を残すのみとなった。(T田さん記)








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              第11回目 山行報告 兵庫縦断トレール 第9区間(最終区間) (姫路~仁寿山~小富士山~小赤壁)
 
 日時 平成28年10月9日
 参加者  会員21名 ( CL T本  SL T田)
       現地参加会員 6名  総合計27名
 
 天気:曇り、夕方晴れ

<コースタイム>

姫路駅集合9:00~19――光大寺八幡宮10:06~19――途中道間違いで20分ロスーー仁寿山への車道11:20――仁寿山11:25~35――小富士山12:08~40(昼食)――奥山の登山口13:05――小赤壁公園14:20~30――木場ヨットハーバー14:40~15:10ごろ流れ解散。

<記録>T本さん記

兵庫縦断トレールの最終区間である。

09:00姫路駅南口に集合。わりあい広いので、その場で出発前の点呼と、M下さんの指導で準備体操した。09:19出発。市街地を歩いて阿保へ。阿保橋を渡り、車道を避けて集落の間の道に入る。山際をたどって光大寺八幡宮に10:06着。ちょうど祭の日で、お参りして甘酒や御神酒をいただき、社殿裏から山道へ。出発は10:19。最初は藪だが、ほどなく両脇が刈り取られた道となり、次第に眺望も良くなる。栗やアケビ、キノコを収穫しながら、あまり歩かれていない山道をいったん鞍部に下るが、やや下りすぎて引き返す(注:10:52~11:12の20分間がロスタイム)。11:20仁寿山に続く車道に飛び出した。

11:25仁寿山頂上着。小憩し小富士山に向かう。12:08小富士山着。大休止を取り昼食。12:40岩場の多い道を下り13:05奥山の集落へ。奥山の麻生八幡宮もお祭りで、締め込み姿の若い衆が社前で集会中。立派な御輿が置いてあった。

後は車道を通り小赤壁公園を目指す。山陽電車八家駅前を通過中に、現地合流組のG田さんから「買い物を終わった」という電話。トレール完成を祝う乾杯用のビールを買って持ってきてくれることになっている。

川沿いの道から集落に入り、木庭八幡宮の鳥居をくぐって、参道の長い階段を登ると14:20小赤壁公園の一角に出た。目前に広がる海の風景は広々として、歓声が挙がった。

G田さんたちが小赤壁公園に上がってきて記念撮影。大急ぎでセレモニー場所の堤防に向かう。到着は14:40。波打ち際に下り、いよいよトレール完成を象徴する日本海の水を瀬戸内の海に注ぐセレモニー。14:47T田さんが浜坂海岸の海水を注いでみんなで拍手。

足場の悪い岩場であったが、全員で記念撮影し、次いで乾杯して兵庫縦断トレールの完成を喜び合った。11カ月にわたるトレールはここに完成した。



       




   

   山行報告 追加山行 兵庫縦断トレール 置塩城址~廣嶺山 
  

                              道程図はこちら 

実施日:2017128日(土)

天気:快晴

メンバー:CL T田 SL T本 O村 A川 Y田 T田 H中 7

<コースタイム>

姫路駅集合7:30~40==タクシー==置塩城址登山口60m8:20~8:40――

本丸跡370m9:25~45――南条山439.8m10:32~38――353mP11:38~

40――昼食265m12:25~48――暮坂峠176m13:02~05――氷室山371m

14:04~16――登山道に合流310m14:50――送電線鉄塔310m15:13――近畿自然歩道と合流290m15:30――廣嶺神社255m15:45~16:05――姫路競馬場バス停

17:10(行動時間8時間30分)

<記録>

2016227日に実施した兵庫縦断トレールの第7区間は、中国自動車道の夢前SIC(スマートインターチェンジ)から夢前川東岸の山を南下して南条山に至り、そこから南西に方向を変えて置塩城跡へ向った。これはトレールに書写山を入れたいということから取られたルートである。しかし今回取った南条山からほぼ磁北線にそって南下して廣嶺山に抜ける方が、車道を全く通らないことや、ルート取りとしての完成度からも素晴らしく、どうしても心に残ってしまった。そこで、追加的にこのルートを歩くことにした。結果的にはすっきりしたトレールが完成し、今後兵庫縦断トレールとしてはこのルートの方がふさわしいと思う。

 

素晴らしい快晴で、気温も連日の寒波が緩み、最高の条件となった。姫路駅で集合し、タクシー2台に分乗して置塩城址登山口に到着。料金は1台4000円前後である。この山行は地図読みの実地訓練も兼ねているので、地形図の部分コピーを渡して説明。ストレッチをして出発。40分ほどで本丸跡に到着。

ここは眺めが良く、写真付きの山の説明図もあり、全員で山座同定の練習をする。ここで南条山を確認し、これからは初めての参加者4名に順次先頭を歩いてもらう。まずはY田さん。南条山までは所々赤テープがあり、割合容易に歩けた。ただ藪の中の急登であり結構疲れる。一休みして先頭をA川さんに代わり南下。ここからが参加者の誰も歩いたことがないところで、最初は注意して読図をしたので間違いなく進む。途中に小さな看板で暮坂峠へ道標が2ヶ所あった。371mPの先で少し迷ったが、正しいルートを発見。少し行くと明瞭な踏跡になる。265mで昼食。日差しは暖かく、陽だまりハイクという感じである。ここからは明瞭な踏跡が姫路市立くれさかクリーンセンターの方に延びているが、少し行ったところから、90度南に曲がらねばならない。ここに暮坂峠への小さな看板がある。ここを見落とさないことがポイント。昼食後はT田さんが先頭。うまく踏跡に入りあとは順調に暮坂峠に出た。峠の宮置寄りにカーブミラーがありその横からかすかな踏跡に入る。非常に急な坂を100mほど登ると尾根になり、地図をたよりに進む。登りなので道は間違いにくいが、小さなコブが多く、その下りに注意が必要。やがて氷室山に着き小休止。ここからはH中さんが先頭になる。しばらくは踏跡であったが、やがて立派な登山道に出る。

すぐに道は荒れてきたが、踏跡と比べると格段に良くなる。307mのピークは東側に巻き道が付いており、楽に歩けた。やがて310mの送電線鉄塔に到着。ここからはほぼ送電線の真下を行くことになり次第に道は良くなってきて、やがて廣嶺神社の境内に入ったようで、完全な道になる。やがて近畿自然歩道との交差点に到着。ここは以前通ったところで、我々の歩いたところは、「空港予定地から奥須加院へ」という道標になっている。立派な道を通って廣嶺神社に到着。休憩所で休憩をとり、タクシー代金の清算を行う。あとは車道をバス停まで歩く。広峰のバスは非常に本数が少なく20分前に出たところ。

地元のおばさんに教えてもらって姫路競馬場まで歩く。結局、神社からバス停まで下りなのに1時間強かかった。バスで姫路駅まで行き、ここで解散。

姫路は兵庫縦断のおかげで昨年は実に8回も来た。これからも来ることはあるとは思うが、一応の区切りだと思うと感慨もある。通いなれた駅前の居酒屋で姫路おでんと熱燗で祝杯をあげた。

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