芦生の森(京大研究林) (平成29年11月11日~12日)

 アルペン芦山の例会山行です。リーダーI居さんからの便りです。 

 11日朝、参加者会員8名、それぞれが会員や関係者の車で出発。京都美山町、かやぶきの里の近く知見口で合流。そこからジャンポタクシー(ガイド車)に全員乗り換えて芦生山の家に向かう。
 雨が降り出したので芦生山の家でサービスの弁当を食べる。
 この日に散策を予定していたトロッコ道は倒木で通行禁止になり、おまけに雨なので下谷コースを散策することになる。

 一同長靴を履いて芦生の森に入る。しばらくすると舗装は途切れて、でもぼこ道となる。中山でおりて下谷、上谷が合流して由良川になる地点や紅葉の森を散策する。
 下谷の大カツラ、栃の木平をガイドさんから説明を聞きながらゆっくりと歩く。
 時雨れるという表現がぴったりの細かい雨がふったりやんだりの天気だ。欅峠まで歩いてもどり、ガイド車で山の家へ。休息後S本さん宅に向かう。

 S本さんはアルペン芦山のチャーターメンバーの一人。
 7年前に美山にセカンドハウスを建てて以来、美山で大半を過ごしておられるとのこと。若い頃はクライミングをしたり、カヌーで対馬海峡を渡り韓国まで行ったが、今は美山で無農薬野菜やコメ作りを楽しまれている。
 玄関には唐辛子、クルミ、ジャガイモ、あずきなど収穫物がどさっと置かれていた。夕食は手作りのシイタケやネギの入ったぶたしゃぶで一同おおいに盛り上がる。

 12日、田園に囲まれた美山ハウスを7時半に出発。今日は天気はまずまず。
 長治谷から上谷コースで杉尾峠に向かう。地形をプリンに例えて説明があったが、キャラメルソースの部分をつまり台形上部を歩くことになる。
 川は弧の字を描いて静かに流れ、ゆったりと森が広がり、木々は最後の紅葉に照り映えている。サワグルミ、サワフサギなど木の名前や落葉をみてハウチハカエデ、イロハモミジの区別などの説明を聞きながら、由良川源頭を過ぎて杉尾峠に到着。
 近くのピークに登ると遠くに若狭湾がうっすらと見えた。

 少々歩き足らない感じはしたが、芦生の森を愛するガイドさんたちの説明を受けると、名前だけでなく木々の春や夏の姿が浮かんでくる。極小の水たまりがぬた地と知れば、背中をこすっている動物の存在を感じる。ホコリダケがつくと栃の木も老齢ですと説明があれば樹齢を思い、鹿が花を食べて残っているのはトリカブト、バイケイソウになったと聞くと、森の移り変わりがわかる。
 ダム建設を阻止したとの話もでて芦生の森を守った歴史も知ることができた。いつもなら美しいと感じながらも足早に通り過ぎる森が、時間的にも空間的にも、深さと広さがあることが理解できた。自然保護部にふさわしい山行となった。 
(I居さん記(略))

 芦生の森は京都美山町の東に位置し、約4,200haの広大な面積を有する場所です。冷温帯株に属する天然林は西日本屈指の広さを誇り、芦生の森を含む一帯が平成28年に京都丹波高原国定公園に指定されました。植物や動物、昆虫などの生態が豊富で、大都市に近い低山地としては非常にめずらしい森林となっています。
 現在は京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林として管理されています。


    <写真はT本さんより>
  
     

              
 
 

     
                

     
                
        
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