兵庫縦断トレール第2区間 (海上~扇ノ山~氷ノ山~分水嶺尾根~若杉峠)(平成28年6月10日~12日)
アルペン芦山創立50周年記念事業です。総合リーダーのT田さんからの便りです。
兵庫縦断トレールもいよいよ佳境に入ってきました。この第二区間は無人の避難小屋を利用して2泊3日で縦走するコースで、しかも一般の登山道は全行程で半分以下という一番ハードな区間で全行程のハイライトともいえます。
梅雨の晴れ間に恵まれ無事予定通り縦走を完成しました。これにより前回第三区間でやり残した一部(近日中に日帰りで実施予定)を除けば、日本海から雪彦山の南尾根の小畑トンネルまで繋ぐことができました。今回の参加者は8名でした。
詳しい山行報告はこちら
<写真はO村さんとT本さんより>
6月10日 晴れ
三ノ宮からバスで湯村温泉に、さらにジャンボタクシーで第一区間の終点の海上まで入った。
12時すぎに海上から左馬殿道を通って上山高原に出た。ここからは車道を歩いてしばらく行くと小ズッコ小屋への分岐があり再び山道になる。さらに登ると河合谷登山口からの道に合流する。
ここでザックをおいて水筒をもって河合谷登山口の側の水場に水汲みに行く。
一人3Lずつの水をもってザックの場所にもどる。3Lを担ぐと荷物はグッと重くなる。
扇ノ山の頂上避難小屋に着いたのは17:44であった。
小屋は驚くほど綺麗で、これくらい上質の避難小屋は初めてである。夕食はハヤシライスだがいろいろお酒のつまみもあり楽しい夕食であった。
6月11日 晴れ~曇り
4時起床、5時半出発。諸鹿越から東因幡林道に入る。 ここは舗装はないが立派な林道。ただ落石などの手入れがされていないので、現在は車両通行止めになっている。
延々と4時間歩いて終点の桑ヶ峠。ここから赤倉山に登る。
登山道はもとより、踏跡もほとんどなく、特に頂上直下は結構厳しい岩稜帯であるが全員十数Kgのザックを担いで無事通過。感激の頂上は藪の中にポツンと三角点の石があるだけ。
ここから激しい根曲竹の藪を漕いで氷ノ山越に出た。
問題は水汲みで兵庫県側に下る。明日は全く水がないので、一人4Lを汲むことにする。ところが到着した「一口の水」は本当にチョロチョロと流れているだけで全員の分を汲むには時間がかかる。
少し下の「弘法の水」まで汲みに行った人は全く水が枯れていたということで戻ってきた。できれば氷ノ山頂上の小屋まで行こうかと考えていたが、この調子ではとても無理。結局水汲みが終わって全員が氷ノ山越の小屋の前に揃ったのは16:20。小屋は余り綺麗とは言えないが、泊まるには問題はない。
夕食は角煮丼でウイスキーなど残っている酒もすべて飲んでしまう。明日は早いので間もなく就寝。
6月12日 曇り~雨
3時半起床、5時出発。氷ノ山の頂上からは遠く扇ノ山、さらにその先まで見える。あそこから歩いて来たのだ。
三ノ丸から殿下コースを下山し、その登山口から分水嶺の尾根に入る。
ここからは全く登山道はない。時々現れる行政境界の杭が唯一の目印である。最初は猛烈な根曲竹の藪であったが、やがて竹は無くなり、第三区間と同じような下草の全くない尾根道になる。
ただ迷いやすい尾根が至る所に出ており、必死になって地形図を読む。何度か間違ったところもあるが、GPSのおかげで間違いに気づく。
ここが本区間の核心部と言える場所で、地図読みを間違って引き返しばかりしていたのでは何時間かかるかわからない。
ゴールの若杉峠の手前で雨が降り出して雨具をつける。15:12にようやく若杉峠に到着。
感激の握手を交わす。記念写真をとって、これからバス停のある奥若杉まではまだ1時間の雨中の歩きが待っていた。しかし気分は晴れやかである。
バス停に着いたのは16:15で実に出発してから11時間15分であった。
この間、十数Kgのザックを担いで余り休むことなく歩き通したのだから、アルペンの仲間もなかなかたいしたものである。
バスが来るまで約1時間、無人の家の軒下で雨宿り。1時間のバスで八鹿に出た。(T田さん記)
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